飛騨・沢上谷遡行2007年08月19日

ナメを歩く
 名古屋ACCが岳人誌上で紹介して以来すっかりメジャーな沢になった沢上谷である。情報も充分あるのに中々行けなかった。一昨年は日程が合わず、昨年は大雨で撤退。今年ついに遡行が出来ました。一日中雨にもあわず結構な沢日和でした。
 夜8時30分名古屋ICを出発。9時30分に美濃SAで落ち合う。総勢7名、1名は欠席で6名の参加となった。それでも当会にしては多い。沢上谷効果であろうか。ひるがのSAでは名古屋の猛暑を忘れるほど涼しい。清見IC付近の電光温度計は21度。高山市付近でも23度と快適な気温である。R158から県道89に曲がる。
 テント場は昨年雨の中を走っていたのでパスした恵比寿トンネル手前のPが最適地であった。交通量が少なく、民家もないので一晩の仮泊にはちょうどいい。12時までには着いて1時には就寝。5時に目覚めて6時過ぎには出発。トヤ峠を越えて遡行終了地に1台をデポ。キャラバンで入渓地に走る。
 既に先行パーティーのクルマがある。支度中にも富山ナンバーが来た。7時50分出発。最初は平凡な渓相である。今までが刺激的だったせいか気合が乗らない。右岸から落ち合う枝沢に入って本格的なナメを味わう。帰りには懸垂下降を実施。また本流に戻る。
 ナメの快適な遡行を味わった後、またも右岸に落ち合う枝沢に入る。ここはナメでなくラウンドした大きな伽藍のような岩の切り立つ壁から落ちる滝見である。他のパーティーの人がいうには水量は例年の3/1らしい。やや迫力に欠けるが落差は充分ある。昨年車道から見た凄い滝はこれであろう。
 また本流を遡行。次は落差13mのナメ滝であった。ナメを流れる水が更にその上から追い越すように落ちるためにウロコ状に見える。
 昔後藤夜半(1895-1976)という俳人は

  滝の上に水現れて落ちにけり

と詠んだけれどこの滝をじっと見ていると
  水の上に水現れて滝をなす   拙作
と詠みたいような今までに見たことがない滝であった。
 左岸の急斜面を攀じ登って大きく高巻く。しっかり踏み跡がついていた。石垣もあって何の跡であろうか。巻いてから再び枝沢の左岸を木の枝をつかみながら下降して本流に戻った。
 ここからはすべてナメが続いた。しばらくでまたちょっとした滝に出合った。両方から滝で落ち合う。ここは名古屋ACCが桃源郷と表現したほどの美渓であった。私なら沢の中の理想郷=沢トピアと云いたい。本流はちょっと手強いがフィックスロープが垂れ下がっている。ここでもトレーニングとして確保しながらクライミングした。登攀を終えると待っていたかのように遠雷が鳴った。ほとんど落差のないナメを遡行してクルマに無事到着。
 入渓地までクルマをとりに走った。後は荒城温泉恵比寿の湯に入った。旧丹生川村の鄙びた山の湯である。鉄分が多くお湯は錆た色に変色している。中々よく効きそうな湯であった。
 その後滝に打たれたような雨に襲われたが清見へのトンネルを過ぎると嘘のような天気であった。水量が少ないとこぼした罰が当ったのであろうか。

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