「別冊 正論」07を読む2007年08月21日

 昨夜会合の帰りがけに書店に立寄ったら表記の本が目に飛び込んできた。以前からグローバリズムの浸透はおかしい、と感じていた。かつてアメリカの格付け会社がトヨタの年功序列にまで意見を言っていた。
 グローバリズムとはアメリカ主義である。ヨーロッパは対抗策として通貨をユーロで統合してアメリカに一矢を放った。元々はドイツが中心である。ではアジアでも、と構想がでるとアメリカは即つぶそうとかかってくる。
 この本(ムック形式)の冒頭にもあるように日露戦争で日本が勝利するとアメリカは日本を敵視し始めたという。それまでは不平等条約で縛られていた日本であった。
 振り返ってみればアメリカは日露、日中、日朝、日韓において相互に仲たがいするように仕向けてきた。日露においては北方領土、日朝、日韓においては併合に対する恨み、日中においては満州国、侵略問題。これを放置したりそそのかして火種をつくる。
 最近ではもう解決したと思っていた従軍慰安婦問題がアメリカで再び火種が起きている。日本の弱体化がアメリカの国益、とこの本は主張する。その通りであろう。世界が平和になるとアメリカの軍需産業が不況になる。世界の警察官を維持したいアメリカはどこかで戦争をしていきたい。最近は日本を海外派兵までさせて参加させている。武器はアメリカ製であろう。
 金融については先だっての通りである。郵政公社が民営化するとまた何らかの波乱が起きるだろう。アメリカにとっては日本が一番恐い国である。何せアメリカの領土を攻撃した唯一の国である。四方八方がんじがらめにされないように警戒していかねばならない対米外交である。