低山学入門5・・・登山の装備と道具、服装など2016年12月12日

 登山の用具、服装は私の山歴40年の間にめまぐるしく変わった。
 当初は日常に着ていたシャツのお古、はき古したズボンを転用したり、帽子、手袋などは一般品を使っていた。高価なウールのシャツ、ズボン下を着て厳冬の山に登山してきた。

 ウールの保温性は抜群である。毛玉ができやすいことで擦り切れてしまい穴が開く。洗濯で水洗いができない。圧迫を受ける箇所はフェルト化しやすい。激しい使い方をするにはメンテナンス性が悪いというわけで登山衣料の世界からは姿を消した。わずかに手袋、帽子、靴下で頑張っている。

 今は登山専用にカスタマイズされた便利な機能的な衣類が普及している。例えばズボンのポケットのジッパーは一般品にはない機能である。割高な価格を除けば結構なことだと思う。
 友人の中には作業着の専門店で間に合わすのも居る。これは価格は50%OFFであるが丈夫さを機能とするためかやや重い。

 透湿性、吸汗性、保温性、洗濯に強い、防臭性はどの衣料も当然のようになった。登山用衣料から始まった差別化は一般化しているから量販店のものでも間に合うだろう。

 肌に着ける下着についてはナイロン製ながら機能的で画期的なものがある。汗を吸い上げて重ね着した衣料で発散する仕組みである。沢登りで全身が濡れても沢から上がるとさっと水切れして乾きが早い。これは優れものである。今までは衣類が水分を吸って重くなるわ、体温が奪われるわで対応が大変だった。長い距離では大きな差がつく。これは防寒着の下着にも有効である。冬でも汗で濡れることもあるからだ。

 登山靴も大きく変わった道具の一つだ。革製重登山靴からプラスチック製になった。中級から初級クラスの登山ではまだ革製が幅を利かせている。ナイロンの表皮が多かった軽登山靴は水分を発散するためにゴアテックスを組み込んだ靴を多く見かけるようになった。基本的には靴底がしっかり土や雪に食い込むパターンのものを選びたい。

 ストックは中高年世代が登山の世界に遊ぶようになってから急速に普及した道具の1つである。それまでは冬山でピッケルくらいしか手に持つ道具はなかった。山スキーではストック2本は必備の道具であり、それが独立して一般登山者をサポートする道具になったのだろう。伸縮機能付きが普通になった。

 地形図、コンパスは必携なのは昔からであるが近年は高度計付時計、更にGPS機能のスマホ、GPSが登山者に広まっている。この傾向に比例するように道迷いの事故が増えているのは皮肉である。使いこなせていないのだろう。事前に地形図をにらんで地形を読み込んでシュミレーションしておくことが肝要である。
・コンパス・・・自分の立ち位置を中心に方向を知る道具
・高度計・・・気圧を利用するので誤差を織り込んでおく。独立標高点があれば修正するか誤差を知っておく。
以上を踏まえて行き先を判断する。
・尾根、稜線、山頂・・・周囲を眺めて特徴のある山、地形があれば立ち位置からの方角を地形図に合わせる。特に山頂からは放射状に登山道が集まる場合は下山に要注意である。
・谷の中・・・特徴のある地形・・・滝、大きな崖、大きな岩、大きなガレ、大きな崩壊地、谷の上を横切る高圧電線、谷の下に広がる風景などを判断することになる。

 ザックは殆ど変わり映えのしない道具である。機能は収納だけであるからそう進歩することもなさそうである。

 ヘッドランプは夜間の照明に欠かせない。乾電池のたゆまない改良、電球がLEDに進化して革命的な商品が出回る。もう重くてちょくちょく切れた電球のヘッドランプは使えない。

 雨具も画期的なゴアテックス製が普及して久しい。但し、私は購入したことがない。余りにも高価なのと使う機会がないこととで安いもので間に合わす。但し、ヤッケだけはゴア製を利用している。

コメント

_ 中村明 ― 2017年03月10日 21時41分06秒

あてずっぽに思ったのが富士山でしたが、正解が知りたくNETで調べてしまいました。茨城の低山を歩いていて、「図根点」というのがうずまっていて検索して、このHPを訪問いたしました。図根点は今一つよくわかっていないのですが、興味深い記事がたくさんあるので、お気に入りに入れました。

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