俳句の永続定型論2020年05月10日

 俳句の原稿を書いた。河東碧梧桐の評伝は書家の石川九楊が書いた。俳句の謂わんとすることは『河東碧梧桐 表現の永続革命』のことがうすうす分かる。話はずれるが、この書名はロシア革命時の人間模様を俳句界の動きになぞらえたのだろう。
 すなわち、ロシア革命では一番活躍したトロツキーが河東碧梧桐、レーニンは高浜虚子、スターリンはだれか。ホトトギスの流れを汲む俳人たちか。
 レーニンとトロツキーは革命理論で対立する。勝者はレーニンである。トロツキーは追われてスターリンの刺客に殺されたという。この流れは河東碧梧桐は新興俳句に進んだものの弟子の追従が少ない。圧倒的な虚子にはかなわない。永続的に俳句を革新し続けた碧梧桐と定型を守った守旧派を自認した虚子の構図である。
 しかし、碧梧桐には書の才覚があった。残された書の作品に碧梧桐の存在を認めようとした。それは書家の大家・石川九楊でないと書けなかった話だろう。
 但し、碧梧桐は結局は俳句の散文化を進めてしまった。定型を壊そう壊そうとした。これを表現の永続革命と讃えた。虚子に反旗を翻した水原秋櫻子らも散文化になっていく。秋櫻子の弟子はそのことに気が付いて定型の韻律性に戻す。有力な弟子が育たないと一代限りで終わるという話。

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