映画「醜聞(スキャンダル)」鑑賞2010年03月13日

 休館中だった愛知県図書館が久々に開館したので図書を返却。ついでに映画を見た。
 1950年製作、黒沢明監督であるが松竹で撮った珍しい作品だ。主演は三船敏郎、山口淑子、志村喬ら。あらすじは題名どおり、有名人の画家を三船と声楽家に扮した山口のプライバシーの暴露記事に取材した。無償でいいからと志願して訴訟を依頼したダメ弁護士志村喬の物語。悪役はスキャンダルをネタにしたいい加減な記事で儲ける雑誌出版社の社長小沢栄とくれば「暁の脱走」のキャストと似ている。小沢は悪役が似合う俳優である。
 黒沢映画の「酔いどれ天使」でも場末のごみためみたいなところに住んでいたやくざの三船とアル中の医者志村が演じたがこの映画でも弁護士の貧乏さを演出するために同じような場末に設定したのだろう。しかし、ちょっとやりすぎの感なきにしもあらず。
 若い頃の山口淑子(1920-)を見たくて鑑賞したけれど綺麗ですね。日本人離れした顔です。最初は主役っぽく登場していたが後半は志村の場面が多くなり脇に回ってしまった。黒沢監督は女優を重用しない人だが期待以上に見る場面はあった。
 満洲で李香蘭の名前で大活躍していた女優だ。このところ満洲、甘粕大尉、満映関連の本を読み続けてきた。彼女のCDで歌も聴いている。か細いがソプラノの美しい声である。ロシア人から声楽のレッスンを受けただけはある。
 「わが生涯の輝ける日」「暁の脱走」に続いて3本目。

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