続・鈴鹿源流の沢旅-佐目子谷を溯る2009年11月25日

鈴鹿の晩秋の風情
 熊ノ戸平の解放感は鈴鹿随一である。但しそれは自然破壊の結果かも知れない。様々な思いを抱きながらイブネ北端を後にして大峠に向かった。昨年上谷尻谷から上がった場所も記憶にある。濃霧の中でここにたたずんだのだった。
 北に向かうと次第に尾根はやせていく。素晴らしい雑木林の尾根である。新緑も少しまえの紅葉もまた素晴らしい。しかし今の落葉期もいいものだな。
 フナブセらしいところで一服した。そのまま通過しがたい雰囲気がある。上に上がると深谷山でF君は更に奥へと行くらしい。根っからの鈴鹿フリークだな。私が奥美濃教徒なら彼は鈴鹿教の熱心な信徒であろう。W君は沢登り教の永遠の雲水か。馬鹿なことを思いながら大峠に着いた。峠からは水船の池へ直行した。ハチノス谷を下る段になってF君が珍しくRFをミスったので若干戻り、地形図で確認して下った。伏流から水の流れが出るとすぐ下では銚子のような滝が待ち構えていた。ここは懸垂で下る。
 その後も杉林の左岸にそって下る。かつては造林小屋があったという二股にもその面影もない。沢をただ下るだけだ。そしてついに姫ヶ滝の落ち口に着いた。2人は更に下って偵察に行った。沢を少し戻って左岸の杉林を攀じ登るとやせた尾根に着く。尾根の先端まで行くが脆い岩から松が生えて懸垂の支点には心もとない。松が生える地質は栄養分の少ないところだ。ここも戻って土の急傾斜の浅い溝を下った。懸垂も交えて何とか佐目子谷に周回できた。そこから約1時間でPまで戻った。16時を過ぎていた。山国の寒い風が帰りを急がせた。