鰻屋の修業に学ぶ山屋の心得2020年06月08日

 笑われるかも知れませんが、最近の高齢登山者の道迷いの多発傾向を考えているうちに鰻屋の修業を思い出した。
 ヤフーの知恵袋にあった回答が的確でした。

「鰻職人を「串打ち三年、板(割き)五年、火鉢(焼き)一生」とはよく言ったもので、
一生が修業人生となる領域であるほどに、経験と勘が客評判のカギを握っていることは間違いないです。」

・・・これはそのまま山屋に置き換えたい。鰻職人は山屋、串打ちは夏山、板(割き)は残雪期、そして冬山へとステップアップする。火鉢(焼き)はルートファインディングとするとどうか。岩登り、スキーはグレーディングでレベルアップの度合いが分かる。RFは低山から高山まで必須の能力であるが、自分がどれほどのものかは推し量れない。トレーニングが難しい。どんなベテラン登山家でも単純な原因で遭難(時には死ぬ)するのはこのせいだろう。
 焼きは一生というのは真理である。蒲焼は強火の遠火。垂れには砂糖も入るのでちょっと目を離すとすぐ焦げてしまう。山歩きでも下山中に今日は温泉に入り、後はあそこの蕎麦屋で蕎麦を食うか、などと考えながら歩くとどこか石の突起、石車に乗ったり、木の根っこの張り出しなどに当たって転倒したりする。運が良ければ怪我で済むが骨折もありうる。仲間内には2回も骨折した会員がいた。要するに遭難(特に道迷い)の原因は油断である。登山に集中することなのだ。
 道標のある名山歩きばかりだと中々スキルはアップしない。海外遠征経験者でもメンバーに名を連ねているだけというのもいる。アメションにならってヒマションと口の悪い先輩が言っていた。ある有名な女優がアメリカに行ってきたとはいうものの小便をしに行っただけという新聞記事であろう。ヒマラヤに行ってきたぞ、と自慢する御仁である。ベテランにはそういう人も多い。長年やっても遭難からは免れない。一生が注意深く山歩きを続けることなのだ。

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