救助要請は当事者でないとヘリは飛ばない2017年10月24日

 今夜は愛知岳連の理事会だった。様々な報告の中で書きとめておきたいことがあった。
 それは今夏、D山岳会4人パーティが槍ヶ岳の北鎌尾根で先頭が事故発生した際、場所が場所だけにドコモの携帯の電話が通じなかった。すぐ動けず、通りすがりの山岳ガイドの携帯がAUで使えたので救助要請を委託した。ところが、現地に3泊して食料も尽きかけても救助ヘリが来ない。それでメンバーの1人が携帯の通じるところまで降りて警察に連絡できた。何とかけが人をピックアップしてもらったという。
 なぜそんなことになったのか。いろいろ調査すると
 警察は当事者からの通報でないと動きませんとのこと。また山岳ガイドもピンからキリまであり、ただの添乗員みたいなのもいるので信頼してはいけないとのことだった。それよりなにより山岳ガイドはお客の引率が使命であり、旅行会社の命令下にあるので余計な仕事には係わらないとも言われた。つまり当てにしてはいけないのである。

 もう1つ、別の報告でも事故が発生して救助要請する際は、警察へダイレクトに連絡せよ、とのことだった。山岳会の留守役、家族、友人を経て連絡すると、警察がすぐ必要な事情を聞いてくるが、当事者以外だと、今どんな状況なのか、分からない。怪我は食料はメンバーは現地の様子はなど緊急で知りたいことがおおく、ヘリを早く出動させるにも正しい情報が欲しい。

 というわけで、救助要請は他人に委託しないこと、警察とつながったら「山岳事故です」と通報すること。それでも、単独行で事故ったら通りがかりの登山者は有力な協力者になりうる。過去には通報してもらって助かった例もある。この点は考えものである。
 結局、山岳ガイドがきちんと救助要請してくれたかどうか。警察は連絡をうけても動かなかったらしいがちょっと信じがたい。長野県は今ヘリが飛ばせないこともからんでいると思う。現在は埼玉県から飛んでくるらしい。
 墜落事故でヘリを失い、今は特別態勢という。
https://thepage.jp/detail/20170721-00000009-wordleaf
 こんな事情もあるかも知れません。

 山の常識の基本のキのような話であるが、遭難事故が激増している今は心しておきたいことである。