登山と孫子の兵法2015年07月25日

NHKニュース

山岳遭難は高齢のベテランに集中

本格的な夏山シーズンの到来で、心配なのは遭難です。
遭難者の中で特に多いのは60歳以上の人です。中高年の登山ブームが続くなか、去年はおよそ半数を占めました。さらに、最近の調査で、同じ高齢者の中でも、意外にもベテランが遭難するケースが多いことが分かってきました。

中略
【ベテランがなぜ】

長野県山岳総合センターは、警察の協力を得て、長野県内の山で去年夏、実際に遭難して助かった人にアンケートを行い、74人から有効な回答を得ました。その結果、60歳以上の47人のうち、70%近い32人が登山歴10年以上のベテランでした。
中略
なぜ高齢のベテランに遭難が集中するのか。
特徴的だったのが「体力」に関する回答でした。
「同世代と比べて体力的に優れていると思うか」という設問に対して、高齢ベテラン遭難者の75%が「優れていると思う」と回答しています。
これは、北アルプスの2つの登山口で一般の登山者を対象に行った同様の調査の32%に比べて倍以上の割合です。
以上
 取材記者が若いせいか、登山暦10年以上をベテランとしている。しかし、私は登山の場合はベテランの謂いは30年以上としたい。月2回以上年間20座以上を10年続けても200山に過ぎない。大雪は大体20年前後に1回はある。大雪の後で始めた人は20年目でやっと1回大雪の恐さを知ることになる。まして岩登り、ロープワーク、藪こぎなどの登山技術を学ぶには10年では少ない。気象の知識も平地だけでなく、高山の気象を知らないと半知半解になる。
 若い頃熱心にやっても30歳代40歳代は家族サービスや転勤など仕事が忙しく登山を諦め、ブランクをつくる人がとても多い。そんな人が50歳以上、60歳近くになって再開するケースが多い。昔とった杵柄のケースだろう。山岳会の先輩が再入会したが細部でご時勢に合わない服装、知識が多かった。

 登山暦の長さだけではベテランとして仰ぐわけにはいかないのだ。濃密な経験と実践の裏づけが必要であろう。

 高齢ベテラン登山者はリーダー(指導者的立場)に立たされることも多い。そこでいいところを見せようと実力以上に頑張ってしまう。引き返す判断を間違えて遭難する。
 
 体力的には高齢でも常時登山を実践している人は初心者でも強い。登山のトレーニングは登山で・・・は本当である。

 何より大切なことはこれから登る山のコースなどを良く知ること。有名な孫子の兵法を思い出した。
「敵を知り、己れを知れば、百戦あやうからず。
敵を知らずして、己れを知れば、一勝一負す。
敵を知らず、己れを知らざれば、戦うごとに必ずあやうし。」
翻案すると
登山する予定の山のことを知り、自分やメンバーの実力に合っておれば遭難は滅多にないだろう。
山のことを知らなくとも、自分の実力を知って対応すれば撤退もあるが登頂に成功することもある
山を知らず、自分の実力も考慮せずに登山すれば山岳遭難は必至だろう。死ぬこともある。

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