小屋番の山日記

　丸善名古屋店の古書市を覘いたら『薬師』が見つかった。1500円也。以前は8000円もしていたから見送っていたが1500円ならいいか。非売品とあるので元々関係者には無料で配布された本である。
　内容は昭和38年1月のサンパチ豪雪で薬師岳で13名全員が遭難した報告書である。全員がコンパス、地図を携行していなかったから遭難したなんて本多勝一記者が書いてしまったから今でもそう思っている人が多い。後年、実はもっていたが活用できる力がなかったのだと関係者は述べている。吹雪かれたらコンパスが有っても使えないだろうに。間隔を開けずに標識旗を立てておくことが肝心だったのだ。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1038737045
http://www.icom.co.jp/beacon/backnumber/web_topix/020.html
　喫茶店に入ってしばし読み耽った。遭難に対する義捐金のご芳名には知人もいる。あの方、この方、故人になられたのは半世紀経過したからか。遭難者には昭和19年生まれもいた。生きておれば68歳だ。