新緑2006年04月21日

 穀雨。いかにも春本番という言葉である。力強く根を張り伸ばしていく生命力に感嘆する。
 マンションの狭庭の桜もすっかり葉桜となった。瑞々しい緑が目に優しい。近くのグランドの周りの樹木も一斉に萌えいずるような新緑が嬉しい。山々の緑もすぐであろう。
 昨日は昨秋定年退職した元上司の急逝が知らされてあちこちでひそひそと故人の思い出が語られた。病名のくも膜下出血のことが話題となった。明日はわが身の病気である。癌もまた。今日はお通夜に参列して営業での人間関係がこれほどとは、と思う大勢であった。
 帰りは本屋に寄って「季語集」を購入した。最近俳句の学習はさっぱりである。少しはかじっておかねばならない。最近寝床で「山岳」の索引集をぱらぱら読むのが習慣になった。心に触れる言葉があると嬉しい。故吉沢一郎さんの1933年の伊奈川の遡行紀行が見つかったので早速本文を読むと昨年夏に下降した際の思い出がたちまちよみがえる。登攀よりも旅の要素が強いが著者もその点をむしろ諒としている。
 グーグルで著者の名前を検索すると1冊ヒットした。それを古書店から取り寄せて読んでみると本文が収録されていた。忘れがたき山旅であったわけである。あの辺りは御料林であったであろう。御料局三角点は萩原沢岳の北のピークで見たことがあった。33年でも桟橋は朽ちていたらしい。戦後は故熊沢友三郎氏の紀行を読んだが桟橋が朽ちていた、と書いてあるから明治時代に調査されて以来一度の修復されることなく朽ち果てていったものであろう。平成の今はもうかけらも見つからない。
 伊奈川の今昔に浸ることが出来て豊潤な時が過ぎてゆく。

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