台風12号接近2011年09月01日

 事務所へ出かけようと自宅をでると台風12号接近にともなう蒸し暑い空気が漂う。たまらない暑さを感じる。残暑というのでもない。明後日の富山県の剣岳登山も流されそうだ。
 かつて盆休みに東北の朝日連峰に行った。あの時も台風が太平洋岸を伺っていたが朝鮮半島に反れていったから出発したのだが初日は登山口の奥深く歩いて、避難小屋で一夜を明かした。水底が見えていた谷が翌朝一転して用水路みたいな濁流に変わった。ラジオの予報では一旦朝鮮半島に反れた台風は上空の偏西風で日本海に押し流されて何と北上して、東北を襲ったのだった。
 一夜どころか過ぎ去るまで二夜、三夜を明かすことになった。登山は前途中止にして、車まで戻り、走ると前方では山側の土砂崩れで通行不可能になっていた。徒歩で警察へ緊急電話し、県営ダムの関係機関に電話をつないでもらい、待つこと久でようやくブルが来て一掻きして帰れた。ブルのオペレーターはお盆休みなのにとぶつぶついう。
 名古屋に帰ると南の飯豊連峰でも山中に閉じ込められた多数の登山者の報道にびっくりした。だから、新田次郎の山岳遭難をテーマにした小説にもあるように日本の天気図に台風が到来しているうちは山に行くなという、気象官らしい登山の掟を思い出す。気象に関してはフィクションばかりではないぞと思ったものだ。
 さて、天白川には白いコサギが一羽、川の真ん中に立っている。まさか好物のドジョウを捕食しているのではないだろうな。自分をドジョウに例えた野田さんが首相に選ばれたばかりだからしばらくは我慢して他のフナなどを食べてやれよ。そう願いたい。
 栄のトップカメラに寄る。以前修理に出した一眼レフカメラを受け取る。オートフォーカスが壊れるなんて考えもしなかった。7月始めの羅臼岳への登りでおかしくなった。最初はバッテリーの消耗と思っていたがどうもおかしいのでいじっているうちにフォーカスが合わないことに気付いた。10000円弱で済んだ。
 丸善に寄って本を物色するがこのごろ丸善ばかり来ている。もう買う本はないはずだが物色するとあるものだ。平積みは日本や世界の政治・経済のことばかりでうんざりする。欧米の帳簿上の経済が破綻していかに他国に付を回そうか深謀遠慮の時代が続く。欧米の収奪の経済から日本流の栽培の経済に「チエンジ」するべき。
 コラムニスト高山正之氏の『スーチー女史は善人か-変見自在』が新潮文庫で今日出たばかりなので購入。『サダム・フセインは偉かった-変見自在』も文庫で読んだ。単行本の『サンデルよ、「正義」を教えよう -変見自在』(新潮社、2011年8月) が余りにも面白かったので次々手を延ばしている。ユーチューブに投稿されている動画も面白かった。
 他に講談社文庫で太田直樹『満州裏史-甘粕正彦と岸信介が背負ったもの』を購入。アマゾンで注文しておいた福田和也『地ひらく-石原莞爾と昭和の夢』上下巻(文春文庫)もあわせて満州にかけた男たちの話である。エリート軍人とエリート行政マンの確執というか、騙しあいと想像するが・・・。読んでのお楽しみ。
 栄界隈の蕎麦屋でざる蕎麦で軽く済ます。