道迷い2006年09月02日

 このところお盆を過ぎてからというもの各地で道迷いの遭難事故が多発している。
 南アルプスの北岳では38歳の男性が水場を探しているうちに道に迷った。北アルプスでは針ノ木岳で58歳の男性が入山直後に道迷い7日ぶりに自力下山、白山山系の大笠山では75歳の男性がぶなお峠から入山後道迷い、鈴鹿でも高室山で60歳代の夫婦が道迷いで皆救助された。
 皆命が無事でよかった。それにしてもなぜこんなにも道迷いが多いのであろうか。鈴鹿を省くとベテラン風の登山者が多い。共通するのは鈴鹿を省いて単独行でしかも通い慣れた地元の山ではなく遠方から遠征している。
北岳=埼玉県さいたま市
針ノ木岳=横浜市
大笠山=神奈川県南足柄市
鈴鹿・高室山=岐阜県各務原市
 結局は土地勘のない地域の山に来て地図も見ないで歩いていたのであろうか。大笠山の場合は白山市側に下山していたらしいので大笠山以南の登山道のないルートをRFしながら下山していたのであろう。或いは奈良岳の登山道に迷い込んだか。
 75歳で単独というからベテランである。氏名を検索すると33年前の40歳代で100名山を目指している同地域同名の人がOL大会に参加した記事がヒットした。おそらくは100名山の後記にある大笠山や笈ヶ岳を狙っての登山であろう。危なっかしい登山であった。過去には深田クラブの会員も遭難死している山だ。舐めてはいけない。登山歴50年というが密度はどうかな。
 南ア北岳の人のように水場を探して登山道を外れてそのまま戻れずに遭難死するケースはたまにある。鈴鹿では東海自然歩道で60歳の単独女性が行方不明になり1年後に下流で遺体となって発見された。新潟の鉾ヶ岳の近くでも京都から来た単独の男性が戻らなかった事例があった。これも普通に歩けば迷うような山でなく水場を探して歩いているうちに迷ったのではないか。
 分からないのは針ノ木岳だ。入山直後に迷ったという。山霧であろうか。霧の中でリングワンダリングが考えられる。鈴鹿の60歳代の夫婦は未熟なまま余り人が歩かない山に登ったのが原因であろう。
 何はともあれ土地勘のない山に都会からクルマで乗りつけてさっさと登山してくるなんて虫が良すぎる。事前に地形図でシュミレーションしてから入山するべきだ。山に入ってから迷ったと感じてからでは遅い。
 よく地図を読む、なんていうが本当は地形を読む、であろう。地形を読んでおれば見えないはずの景色が見えたりしておかしいと感ずるだろう。地図は参考程度なのである。我々が山を歩くとき殆どは遠近の景色を見て進路を決めているはずだ。したがって夜は話にならず霧には勝てないのである。

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