私の履歴書(三浦雄一郎氏)を読む2006年09月13日

 日本経済新聞に連載中の私の履歴書は現在プロスキーヤーの三浦雄一郎氏が執筆中である。父親はまた有名な三浦敬三氏で今年他界された。
 スポーツマンの連載は新聞の性格上珍しい。しかし、山やである私には楽しみである。特により傾倒している敬三氏が子供の目から語られる部分が面白い。敬三氏は八甲田を滑り尽したらしい。それを知らない息子の雄一郎氏はやはり滑り尽して大いなる満足をしていた。父を越えたとも書いているが父の友人らからその活躍ぶりを聞かされて手のひらで踊らされていたに過ぎないと悟る件である。
 確かに敬三氏は古い「岳人」の山スキー特集などで見ると板のエッジでかっちり雪面を切っている瞬間の写真が掲載されている。その写真のイメージを記憶して自身もゲレンデで何度も繰り帰しイメージの再現を試みるのである。イメージトレーニングである。美しいフォームで滑る八甲田山を想像するしかない。
 最近入手した雄一郎氏のスキーの本でもきれいなフォームで決まっているが筋力が段違いに強いせいか中々及ばない。比べると筋力の弱っている敬三氏は力を感じさせない。リラクセーションという語彙がふと浮かんだ。それは中学生のころ陸上競技の100mダッシュで強くなってくれと先生が分解写真を見せてくれたことがあった。外人選手の力強いフォームながら力みがない。
 スキーの極意もまさにそれであろう。100歳でも滑降できた所以である。
 今後どんな展開か、楽しみな毎朝である。