粛々と群聚はすすむ初詣2010年01月09日

 岩波文庫『虚子五句集(上)』から。昭和13年の作。
 1/8は岐阜県海津市にあるお千代保稲荷に詣でた。木曽三川の氾濫がもたらした広大な濃尾平野の中の田園に忽然と立っている神社であった。商売繁盛ということで年中参拝の人が絶えないという。平日なら渋滞も無かろうと行ったが結構な人出であった。
 南門と東門があり南から入った。近くには500円、300円の駐車場もあるが無料の駐車場を探して待っていると5分もしないうちに空いた。参道を歩いてゆくと人込みが続く。行く人帰る人がそれこそ粛々と往来する。両側には小さな売店がずらっと並ぶ。お稲荷さんに近づくとしっかりした家を構える川魚料理の店が並び、門前町にしては違和感がある。名物がなまず料理と以前から聞いていたが店も予想以上に多い。
 お稲荷さんの小ぶりな神社を見送って一旦東門まで歩く。串かつの旨そうな匂いが鼻をくすぐる。大勢が並ぶ。たい焼きの店も行列が出来ている。正月や例祭はさぞや賑わうことだろう。戻ってお稲荷さんを詣でるがここでは油揚げを買って神社に投げ入れるのが風習のようである。きつねの好物=油揚げの発想であるが・・・。さい銭だけで済ます。
 念願だったなまずの蒲焼料理の店に入るが昼時を過ぎた中途半端な時刻なので誰もいない。値段は大きさにより2000円から5000円までの時価という。なまずの研究で有名なある皇族が入ったという店で標準的な定食を賞味。あっさりしてたれの味がないと軽すぎる感じがする。こんな味だったかな、と舌の方は記憶を取り戻そうとする。子供の頃はうなぎ、なまず、台湾泥鰌、泥鰌、鮒、しらはえ、川海老などよくとれたのでしばしば食卓に登ったものである。鑑札のいる鮎だけはもらい物しか記憶にない。
 名古屋市の新栄にもなまずを出すという店があると知って1度だけ行ったがやはりあっさりした味だったかも知れない。但し、小骨が多い。
 店をでてまた群集に紛れてPに戻る。鳥居だけは立派だが威圧するような拝殿、山、大きな岩、大木などのありそうなものが一切ないのも珍しい。「先祖の御霊を千代に保て」と先祖を大切にすることは商売の基本ともいう。110店もある店がどうして集まったのだろうか。狐に化かされたような気になって海津を後にした。

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