オアシスの森散策2007年04月23日

 昨日午後から久々にオアシスの森を歩いた。通勤途上で横目に見ていると日々新緑に覆われていく様が分かる。芽吹きが始まったなあ、と思えばもう新緑真っ盛りである。
 自宅から歩いていくとポツリポツリと小雨模様である。引き返して傘を取りにいくほどでもない。ままよ、と歩いた。双子池から”入山”した。足元は落ち葉で埋まっているが周囲は緑一色にツツジの花が咲いて彩がよろしい。
 足元にはセイヨウタンポポがあちこちに咲いている。外来種は決して林の中にまでは入らないという。人間が手を入れたところで止まっているとか。なるほど林の中には入らない。人工的に設けられた階段の周囲に咲いているのみである。他に名も知らぬ小さな花が咲く。
 見ると林の中に異様な物体が置かれている。果たして不法投棄か、と見てみると「菫蒸?????」と書いてある。一体を菫の花園にしようというのであろうか。
 階段を登ると梅林の台地に着く。梅は小さな実を実らせている。収穫まではもう直であろう。盗伐されないようにネットで囲んである。そこから右の奥へと踏み入れると尚も緑が深まる。曇りのせいもあるが葉っぱが林床に光が差し込むのをさえぎっている。大都会の林とは思えない。
 林を潜り抜けていくと例の展望台に着いた。若いペアが看板に見入っている。ここはデートコースにもなっているらしい。低い雲があってどんよりしているので遠望はまるで効かない。近くの竹林が黄色く色付いている。俳句でいう「竹の秋」である。一旦下ってまた小さく登ると水のない空谷に出た。市道の工事現場である。
 同年齢らしい男が工事の責任者を呼んで新しく歩道をつけて再開させたんだ、と説明してくれた。この空谷の雑木林がいいんだ、という。黄葉も素晴らしい、という。聞けば奥飛騨の産らしい。道理で。自然が恋しいのである。云うとおり高く伸びたクヌギかコナラであろうか。薪炭林としての用がなくなって伸び放題である。このまま放置するとかつての照葉樹林の森に遷移して行く。
 向い側の竹林では筍を取っている人が居た。もうそんな時期か、取れるんだろうか。昨日観た小津安二郎監督の映画「彼岸花」にも山本富士子が見事な京都言葉で筍の話題でもりあがる場面があったなあ。工事現場から離れて歩道を歩くと市道に出た。小雨はもう完全な雨になっていた。春雨じゃ、濡れて参ろう、と自宅まで戻った。