芽吹きを待つ舟伏山に登る2007年04月08日

 久々の会山行である。目的地は奥美濃の舟伏山である。近年は花の多い山として脚光を浴びているようだ。
 7時過ぎ、本郷を出発。美濃ICからR418を走って神崎を目指す。いつも静かな山間の村である。県道からあいの森を目指して林道を行くと一台の小型バスとすれ違う。団体さんが先行しているようだ。飛騨高山の登山教室のメンバーである。
 Pから若干車道を歩いていくとまたPがある。ここの右に登山口が見えた。給水口もあり登山者に親切な計らいがありがたい。植林帯の急な谷筋の道である。最初はカタバミが出迎えてくれた。左へ回り込みながら尾根へと登って行く。
 スミレ、カタクリ、キブシ、シロモジと春の花が増えてきた。イチリンソウも春の光を一杯受けている。山腹の急な斜面を喘いで登って行くとキクザキイチゲのやや大きめの白い花が咲いていた。湿っぽい土の所にはイチリンソウが固まって咲いている。どの花も春を待ちかねたように咲き始めたばかりであろう。
 急斜面を脱すると緩やかな尾根歩きになった。ミノワ平に着く。ミノワとは曲がった台地、半円形の土地の意味がある。別に曲がった流れ、行き詰まりの沢の意味もある。霧でも出たら方向感覚がなくなりそうな感じがする。地元の猟師達が命名したのであろう。あそこは特に気をつけろ、と。
 山頂近くでフナクボの地形を右に見た。これが山名の由来であろうか。もう残雪はなかった。或いは遠望すると舟を伏せた形に見えるからであろうか。山頂には多勢の登山者が居た。こんなに人がいる山とは。以前は雑木林の中で展望もなかった。心細い道を辿って登ったものであった。
 素晴らしい微風快晴の空に能郷白山だけはまだ雪を頂いて神々しい。昼食後はもう先着の登山者も皆下山していった。広々した山頂で心地よい風に吹かれた。
 堪能したあとは南に下山した。しばらくは急な細い尾根を下り、途中から急な斜面をジグザグに下ると古い峠道と交わる。神崎と根尾を結んでいた道であろう。尚も下ると沢に降りた。フキノトウを摘んだり、沢のアマゴを脅かしたりして沢筋を何処までも下るとPに戻った。Pにはもう一台のクルマもなかった。ずいぶんのんびりと春の1日を楽しんだわけである。