那須町で高校生ら8人雪崩で死亡2017年03月27日

 栃木県那須町のスキー場でラッセルの訓練中に雪崩が起きて8人の高校生が死亡した。何ともショッキングなニュースに絶句する。亡くなられた生徒たちのご冥福をお祈りする。
 それにしても積雪33センチも新雪が降ったこと、1月から2月にかけての積雪の雪面がかたまり、その上に湿雪が積もれば雪崩れるのは必至だったはず。指導者たちの登山観はどうなっているのか。
 おそらく大学山岳部で鍛えられた先生だろう。厳冬の高山もこなしてきたに違いない。しかし、冬山の指導者足らんとするには最低でも20年は要するというのが持論である。18年から20年に1回は豪雪の年があり、雪崩れの遭難事件が多発する。こうした経験と観察で状況判断力が養われる。
 ところが大学山岳部出身者は一番危ないという説もある。実際、これまでに遭難で死亡した登山者はみな大学山岳部出身者だった。降雪中、降雪直後でも豪雪地帯の沢に滑り込んで行き、雪崩で亡くなった。もう一人も豪雪地帯の低山ながら切りたった崖の谷に突進して倒木の落下にあたり死亡、北アルプスの谷に午前10時頃入山して落石で死亡と枚挙に暇がない。登山技術以前の判断力の欠如である。
 かつて、私の所属する山岳会に入会した関東の若い転勤族がこう言ったものだ。「あなたは大学山岳部OBではない(社会人だ)から無理をしませんね」と。「えっ、他の会じゃそんなに無茶をしてるんかい」と返した記憶がある。結局、山岳雑誌の記事に刺激された読者は自分の力量を顧みず無茶をするのだ。悪天候を突いて登るのがアルピニズムとばかりに、中途半端な西洋からの登山思想を吹き込まれた大学山岳部OBの指導者がまだまだ多いのだろう。

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