雪蛍2015年11月06日

朝日浴ぶ装ふ山のまだらなり

秋冷や久しく人の住まぬ里

冷まじや廃屋朽ちて屋根も落つ

根尾谷の猿も焚き火を恋しかろ

初雪の白山見へし峠かな

捕まえて見れば寂しき雪蛍

廃村の大河原なり芒原

黄葉に至らぬままに枯れており

天然の真珠のごと実むらさき

国境の稜線はみな黄落す

歴史ある雑木黄葉の道歩く(ありく)

鳴く鹿のたれも応えぬ無人境

秋蝶も北から山を越へにけり

代わる代わる焚き火の番や長き夜

山猿の咆哮を聞く秋の夕

道道で柿売る露店数多なり(本巣市)