映画「ビルマの竪琴」鑑賞2009年04月05日

 1956年日活制作。市川昆監督。モノクロ。竹山道雄原作の同名の小説の映画化。三国連太郎、安井昌二の主演。舞台は第二次世界大戦下のビルマ(現在のミャンマー)となっている。この映画も長い間気になりながら見逃していた1本。
 ビルマなど東南アジアのジャングル地帯に夥しい日本人の戦死者が眠る。彼らの遺体を放置したままでは日本に帰国できないと生涯を遺骨収集に捧げ弔う道を選んだ兵隊の話である。
 『フラガール』同様に実話がベースにあり、心にしみわたるような感動が静かに波打つ。実は水島上等兵のモデルとなった中村一雄氏が最近まで存命であった。2008年の12月17日に老衰で死去されたことを検索で知った。実際にはビルマで僧侶になったのではなく日本に復員後僧侶になり、ビルマに出向いて遺骨収集をされたそうである。
 インドネシア、フィリピンでは現地人になりきって日本に帰らなかった兵隊が居たという報道を見聞したことがある。原作者の竹山道雄の教え子に体験をした兵隊がいたので実話を元に小説ではそのような創作をしてあるわけだ。
 暗い内容の負け戦の映画であるが名曲の男性合唱が織り込まれて癒される。現地人の老婆姿の物売りに扮した北林谷栄が傑作であり、伊藤雄之助の村長役もははんと分る程度の役作りに感心した。クレジットに青木富夫(大山一等兵役)の名前があるのでもしやと思い検索するとやっぱり、小津安二郎の映画で子役として活躍した本人であった。映像では残念ながら特定できなかった。

映画の中の「埴生の宿」2009年04月05日

  映画「ビルマの竪琴」の中で合唱された名曲「埴生の宿」は小津安二郎の映画「麦秋」の導入部分でもバックに流れていたことを思い出した。埴生とは土で出来た粗末な家の意味らしい。WIKからコピーすると

日本語訳詞
埴生(はにふ/はにゅう)の宿も 我が宿 玉の装ひ 羨(うらや)まじ
長閑也(のどかなり)や 春の空 花はあるじ 鳥は友
おゝ 我が宿よ たのしとも たのもしや

書(ふみ)読む窓も 我が窓 瑠璃(るり)の床も 羨まじ
清らなりや 秋の夜半(よは/よわ) 月はあるじ むしは友
おゝ 我が窓よ たのしとも たのもしや

 宿は一般的には有料の宿泊施設(旅館、ホテル、民宿など)に思えるが家のことである。自分が生まれたふるさとのわが家を懐かしむ内容である。他にも未見の『火垂るの墓』、『純情きらり』等に導入されているらしい。
 村の中で伊藤雄之助扮する古老からの饗応に油断しているうちに英軍が取り囲んでいた。おまけに爆薬を積んだ車が外に放置してある。ピンチであるが知恵者が居て丸腰で歌を歌いながら外に出て爆薬を積んだ車を回収に行く。相手を油断させておこうという作戦だ。無事車に着いて回収する際に上に乗って竪琴を弾く。その曲が「埴生の宿」というわけ。無事に回収し、しばし静寂が流れるが英軍の方からも歌声が聞こえる。
 それは元々はイギリスの民謡という「Home, Sweet Home」であった。日本語では「埴生の宿」である。彼らは以下の歌詞を合唱したはずだ。合唱しながら村の中へ入り、そして去っていった。この曲のおかげで戦闘を逃れたのだった。

     Home, Sweet Home
 'Mid pleasures and palaces though we may roam
 Be it ever so humble, there's no place like home!
 A charm from the skies seems to hallow us there
 Which seek thro' the world, is ne'er met elsewhere.
 Home! Home! Sweet, sweet home!
 There's no place like home
 There's no place like home!

 An exile from home splendour dazzles in vain
 Oh, give me my lowly thatch'd cottage again!
 The birds singing gaily that came at my call
 Give me them with the peace of mind dearer than all.
 Home! Home! Sweet, sweet home!
 There's no place like home
 There's no place like home!

ナメコ入りおろし蕎麦2009年04月05日

 先月、越前の銀杏峰、部子山の帰りに平成の湯で食べたおろし蕎麦が大変美味かったので自宅でも手軽に何度か食べた。スーパーで買った蕎麦を熱湯で温めて冷水で冷やし、大根おろしとカツオ節を振り掛ける。その上から汁を掛けて出来上がり、という簡単なやり方である。
 その後おろし蕎麦や越前そばで検索すると沢山ヒットした。蕎麦の本場だけに多彩な蕎麦屋があるようだ。スーパーでも越前そばと銘打つもの、生麺風など色々買って見た。今日はダイエーで買った田舎そば(ゆで)で5割ソバ、太打ち乱切り、といった能書きが書いてある。なるほど山奥で食べる風な食感はする。
 食後はジアスターゼの所為か消化がよく、便通も快調で蕎麦の繊維質、大根の辛味とVitaminCが体に良さそうだ。特に辛味は食欲をそそる。かつお節もパック入りの至ってこだわりのないものであるが辛味と調和し合ってするっと入ってゆく。
 今日は昼食におろしに加えてナメコを茹でて入れてみたら美味しかった。ナメコはおろしにからめて単独で味わうメニューがあるが蕎麦が加わることで食感が変わる。蕎麦だけだと一心不乱に食べてしまうが摘まみにくいナメコがあることで休みながら食べることになる。すべてヘルシーな食材ばかりである。