御園座主催バスツアー「伊勢音頭恋寝刃」の故地を歩く2012年09月11日

 御園座主催の専門家の解説付きバスツアーに参加した。
 東名阪から伊勢路へ。皇學館大學の博物館を見学し、日本文化の中心たる神道の世界を垣間見る。観光地の二見浦を散策し、朝日館で昼食を楽しむ。後、バスで移動し、伊勢市参宮街道資料館では油屋騒動の顛末を展示してある画を見学した。
 そこから徒歩で、旅館・麻吉を見学。伊勢古市は五大遊郭の一つだったという。昔は花月楼 麻吉(あさきち)といったそうだ。麻吉も遊郭の1つとして今に残る。200年の古い旅館は今は、資料館となっていて、ギシギシときしむ音がする。そこの最上階で伊勢茶をいただく。
 再び徒歩で近鉄線の跨線橋を渡る。すぐに新しい石碑に刻まれた油屋跡を見る。近鉄線の敷地の斜面に草生す中に朽ちた柱?が埋もれていた。
 WIKIから。「油屋騒動(あぶらや そうどう)とは、寛政8年5月4日(1796年6月9日)夜、日本三大遊郭の一つといわれた伊勢古市の妓楼・油屋で、医師・孫福 斎(まごふく いつき)が酒に酔って、仲居をはじめ数人を殺傷した事件。
 この事件を題材にして、近松徳三により歌舞伎『伊勢音頭恋寝刃』(いせおんど こいの ねたば、通称『伊勢音頭』)が作られた。」
 なるほど、入門しにくい歌舞伎の予備知識を得るためにはふさわしいツアーであった。
 油屋跡からは内宮に移動した。滅多に来れないので参拝した。そのあとでおかげ横丁を散策した。
 俳人・山口誓子の記念館まであったのは意外だった。誓子は”日本がここに集まる初詣”を詠んでいる。確かに江戸時代の旅の不自由な時代でもお伊勢参りは許可されたとか。「お伊勢参りとえじゃないか」というキャッチフレーズも聞いたことがある。平日でも中々に賑わっていた。
 
五十鈴川水澄むままに流れけり(内宮)

ラムネ飲むおかげ横丁残暑かな

伊勢湾の幸に紫蘇の実添へられし(朝日館)

秋潮の音伊勢海老を蒸して食ぶ(朝日館)

神々の森にそぼ降る秋の雨(皇學館大學博物館)

秋草や石碑に偲ぶ油屋跡(古市)

嬌声の聞こえそうなり秋曇り(古市・麻吉旅館)

中秋や畳に座して伊勢茶飲む( 同上 )

今は知らず阿鼻叫喚秋暑し(油屋跡)

秋の海鵜の止まりけり二見浦

秋雨を吸うて重たき注連縄ぞ(夫婦岩)