相続の口火を切りぬ夕蜩 作者不明2018年11月14日

「航」俳句会のHPから
 ある年齢になると相続のことが気になるものである。自分または自分達夫婦の死を仮定することだから、実子と言えども、話を切り出すには勇気がいる。ましてや、中には、土地の人から一目置かれる家柄のお宅などでは大変なことだろう。加えて遺産相続もあって、時には子供同士の争いにもなるから、一層厄介なことである。
 このお宅でも、その相続の話を、さりげなく夕食の席に招いて切り出したのだろう。すると、はかったように蜩が鳴き始めたのだ。私の想像では、すべてが穏便にはかどったと思う。
 そんな思いも蜩が支えてくれているのかも知れない。  
                              天野祐子
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 今日は少し寒いが良く晴れた。
 朝一でIさんからお迎えが来た。行く先は小高い丘の上の銀行の支店。何でも当該銀行が「相続 成年後見 遺言書」の相談会開催のチラシを巻いたら朝一で3組、更に3組申し込みがあったらしい。
 9時きっかりに行員に案内されて一番目の相談者が入って来た。テーマはいきなり相続税の話。これは税理士さんの分野。よく調べておられる。しかし、ご自分のことの対応はないので公正証書遺言の作成を勧めた。また家族信託にもさわりを説明。
 二番目は初老の夫婦の成年後見のテーマでさらっと学んで行かれた。
 三番目は80歳の独居男性の成年後見の話。妻が障害者として入院中で、預金を凍結されたという。マンションも共有名義のために売却出来ない状況という。これは後見が適当である。妻は再婚で前夫との子がいる。よって公正証書遺言を勧める。
 ここで昼食のはずだったが、飛び入りで86歳の老女が入って来た。昼食は抜きで対応した。四番目は姪が急死して財産があるはずなのだが遺言書を見せない相続人がいるので、知る方法はないか、との相談。公正証書ならば知ることができるので方法を案内した。
 五番目は不動産の多い人だった。しかし家族関係はシンプルなので公正証書遺言を作成することを勧めた。
 六番目は遺産相続の話。ここも家族関係はシンプルだが子供が居ないので遺言書の作成を勧めた。
 七番目は資産は多く争いのあるような特に心配するような家族ではない。公正証書遺言を勧める。
 1人1時間7時間びっしり。ふうっ、やっと終わった。他人の人生に関わる話は気が重い。1人でも成約になれば良いのだが。
 世の中には想像以上の不幸な人生を生きている人が居る。15歳のとき、37歳の母が死んで、自らを不幸と思った。親の庇護もない代わりに老残の母を見ることはなかった。存命なら90歳の母の介護で悩むことはない。相続の話もなく自分のことだけを考えて生きてこれた。
 診療内科の専門医・海原純子さんはクライアントに引き込まれて自分がうつになることもあるとか。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E5%8E%9F%E7%B4%94%E5%AD%90
 うつな気分を一杯飲って払拭したかったが、別件の仕事があるので酔うわけにはいかない。空腹のためにベルト1穴分を締めて銀行を出た。

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