80歳の元気とは?2012年10月27日

 石原都知事が辞任した。そして新党を結成し、国政に復帰するという。息子は頼りないし、自分がやらなければ、と思ったのだろう。しかし、世間は80歳という高齢に訝しげである。しかも、マスコミは任期途中で投げ出したと批判的である。重箱の隅を突くような批判は当たらない。
 今、日本は隣国からありもしないプロパガンダで攻められるし、島嶼の領土問題で紛争が勃発する重大な危機である。その認識がもっとも強い人である。都知事の地位ではその思いを果たせない。尖閣諸島を都で購入する計画も国が動かないのを見ておれなかったからだ。そして、最後は20億円もの税金で相手に乗せられて国が購入してしまった。これをきっかけに反日暴動が起きてしまった。
 何かと国に妨害される。だから国政復帰に打って出た。自ら80歳という高齢を気にしつつもやる。
 しかし、健康面ではあまり心配することもないと私は思う。石原氏は海を愛するヨットマンであり、スポーツマンである。身体を動かすことが苦にならない人だとおもうのだ。同じ80歳になる三浦雄一郎氏も来年春、エベレスト登頂を目指す。今年北アルプス・剣岳に登山した際、三浦氏がトレーニングでバリエーションルートを登攀していたことを聞いた。若い頃から酒に溺れず、目的のために節制し、トレーニングを怠らなければ、体力は相当なものであろう。気力は体力があればこそ湧く。やれないことはないはずである。
 石原氏は国政で自民、民社以外の第三の政治グループを束ねる役目になろうか。たとえ与党になれなくても、隣国に与えるインパクトは大きいはずである。今の日本に欲しいのは相手に手ごわいと思わせる政治家である。高齢の石原氏に頼らなければならないのは残念であるが、頑張って欲しいと思う。
 石原氏は都の財政状況を、複式簿記で表現するように改革されたようだ。その続きで国の財政状況把握もまずは、複式簿記で財務諸表を作成して欲しい。日本航空を蘇らせた『稲盛和夫の実学 経営と会計』は行政にも応用できると思う。税金を徴収する国が旧態依然の単式簿記ではどれだけ資産があるかも分からない。国債残高を借金として標榜するだけでは心もとない。こうした認識をもって、振りかざすのは石原氏ただ一人である。(商学に伝統がある一橋大学OBならではの発言と思う)会計が分からんで経営ができるか、という稲盛学を国にも導入して欲しいものだ。