中央アルプスの沢・摺古木山の黒川源流を探る2014年09月15日

布滝を越えても尚、滑滝は続いていた
 何度も登らせてもらった中央アルプス南部の摺古木山であるが、沢登りに初挑戦した。水がとてもきれいで飯田市の水源にもなっている黒川。黒木の山から流れるから黒川か。その秘密を探るために溯った。
 9/13の朝8時、クルマに行くともう2人のメンバーが来ていた。今シーズンは今回が初めてで道具類が揃わないので少し慌てた。無事、出発して中央道へ入ると車が渋滞気味でハザードランプを何度か点滅させた。恵那SAに入ろうとしたが、満杯で入れず、また車線に戻った。
 中津川ICを出て、今夜の夕食などの買い物にスーパーに行く。団塊の男3人が好きなものを買い物籠に入れてゆく。今夜は鶏の寄鍋風、煮込みウドンとした。再びR19から妻籠を経て、大平宿跡へ登る。今日は3連休とあって他県ナンバーの来客が多い。そのまま、摺古木山の案内板に従って左折。唐松林を抜けるとしばらくで、荒れた林道になる。ロデオよろしく揺られながら、行くと路面の凹凸が激しいところに来た。1人に下りてもらい、誘導してもらった。
 すぐに通行止めのクサリがかかるPへ着いた。ここから沢の入溪地まではかなりあるはずなので、とりあえず、昼食後、徒歩で偵察に行った。入渓地まで約1時間歩いた。附近の平地はテント場に使えそうだ。というので戻ったら、偶然、同じ目的の会員パーティのクルマに出会った。適地を伝えて今夜は同じ夢をみることになりそうだ。
 マイカーに戻り、適地まで走るともうテントの用意やら食事の用意に大わらわだった。焚き火の枯れ木を集めて、小石を敷き詰め、着火するとしぶしぶ燃え始めた。昨夜までの雨で湿っているのだろう。野菜を調理するために沢に行く。沢も増水気味であるが、明日は減水するはず。四方山話に花を咲かせて、久々のテント生活になった。夜8時、星月夜という素晴らしい夜空を眺め終えて就寝。信州の夜空はひと味もふた味も違う。
 9/14、4時起床。朝露でびっしょり濡れている。そういえば昨夜も夜露が凄かった。昨日の残りの野菜を入れ、うどん4袋も入れ、たれで煮込む。ちょっと多いかなと思ったがきれいになくなった。
 テントを畳み、身支度する。6時10分に出発できた。沢までは2分。標高1800mの水の冷たさは格別である。水量は予想した通り大幅に減水した。大岩、小岩を避けながら溯ると、前方に白い布を垂らしたような滝が見えた。布滝という。左から巻いた。斜瀑の落差30mはあろうか。乗り越えても延々、ナメが続いている。素晴らしい溪谷に喜んだ。
 しばらくすると河原歩きになり、唐松の樹林に入る。頻繁に地形図、コンパスを出して方向をチエックする。沢の左岸にある崩壊面が地形図に表現されているので、そこが道標になる。2168m三角点に突き上げる本流は右へ。我々が目指すアザミ岳の沢は左へ、と判断。文字通りアザミの花が多い。どこまでも水流を追いかけた結果、支流のアザミのコルにつながる枝沢の入り口を見過ごしてしまった。それは、南に恵那山を眺められる位置で確認した。アザミのコルへ向かっておれば見えない景色であった。
 それで協議の末、主峰でもある摺古木山を目指すことに転換した。元々、成功率は50%であり、黒川源流を探る目的からは外れていない。1995mの独立標高点附近に近づくと一段と明るくなった。沢の傾斜がほとんどなくなり、せせらぎの流れになった。まるで日本庭園のような美しい源流の風景だった。再び、樹林の中に入ると、沢の流れも細くなった。笹に覆われて水脈尽きるかと思えばまた水が湧いている。とことどころにはミニナメ滝もあって最後まで飽きることがなかった。
 倒木や木の枝がうるさく行く手を阻む。ついに水の一滴も絶えた。谷の様相も溝状となり、笹の尾根が迫ってきた。直感で左へ笹をこいでゆくと、古い刈払いの道に出た。11時10分だった。5時間の源流行を堪能させてもらった。
 すぐ上の高まりに重い足を運ぶと5分ほどで2130mのコブであった。地形図ではここに摺古木山と印刷されている。宮の字をデザインして、8の字に見える宮標石が埋まっている。ここで休憩。オレンジを切って皆さんに食べてもらう。ああ、もう安全圏に来ているという安堵感は何ものにも代え難い。
 ここから腰をあげて休憩舎への道を分ける自然園のピークを踏む。そしてコブを越えると1等三角点と御料局三角点のある山頂だった。誰も居ない山頂で景色を楽しんだ。人の声が風に乗って聞こえてきた。昨日林道で見かけたパーティーだ。安平路山へ行ってきたという。日本三百名山の追っかけが多くなった。登山道の状況が悪くても、遠方でもかまわずに来る。今日は関東勢だった。
 我々も本流に沿う登山道を下った。どこかに仲間のパーティが溯っているはずだ。声を出したが反応はなかった。ドンドンくだるとあっという間に林道終点の休憩舎に着いた。そこから入渓地まではいくらもなかった。身支度を整えて再び林道を走った。帰りには大平宿の大蔵家を訪ねた。昨日朝よりももっと来訪者がいた。大賑わいの宿を後にした。

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仮にわれわれが溯った沢を黒川左俣、仲間のルートは右俣としておく。

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