昭和天皇の和歌(御製)に学ぶ写実の意義2014年09月09日

 今日の読売新聞朝刊は昭和天皇実録が公表されて、特別面を組んで内容を大々的に報じた。中でも優れた歌人の側面に興味を持った。最初と最後の御製は写実で詠まれている。これは万葉集の基本とされる。優れた和歌、俳句、詩は写実だということを改めて思い知る。

大正6(1917)年の15歳の作品

赤石の山をはるかになかむれはけさうつくしく雪そつもれる

昭和63(1988)年の最後の作品

空晴れてふりさけみれば那須岳はさやけくそびゆ高原のうへ

 どの御作も何ら技巧や暗喩などもなく素直に鑑賞できる。天皇のお立場を離れて虚心坦懐に詠まれたのであろう。山の景色は人の心を癒す。天皇ですら伸び伸びした風景に心を託された。
 もしも昭和万葉集が編まれるならば是非この二作を収録されたいものと願う。

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