広告を拒否された本2025年09月29日

 2016年発刊の本書は『名著で読む世界史』の最後に紹介されていたことで知って2022年アマゾンで取り寄せた。目からうろこの内容だった。
 メールに本書の紹介が舞い込んで来た。紹介文の以下をコピペしておく。ユダヤ人は迫害の歴史から常に被害者ポジションに立った上で各国の中枢に関与している。金融、政治経済、芸能、司法など多岐に亘る。なぜ嫌われるのかの答えが書いてある。
 ところが日本は昔からユダヤ人を差別するどころか救済してきたのである。杉原千畝、樋口李一郎などはユダヤ人を救済して多数の命を救った。それなのにユダヤ人は忘恩の民族なのか、平気で日本人を裏切る。
 多分、旧約聖書の教えに問題があるのだろう。現代を生きるためには知っておかねばならないユダヤ人に関する歴史の知識である。 

 本書をダイレクト出版から再版されることになり、少しばかり複雑な心境です。というのも、今まで大小あわせて40冊ほど翻訳を手掛けてきましたが、その中で、本書ほど思い出に残る一冊はありません。

2016年、事件は起きました...

私が『ユダヤ人』を日本で初めて翻訳し、新聞広告で全国に広めようとした時のことです。

日本中の新聞社から、まさかの返事がきました。

「このタイトルは掲載できません」

なんと、すべての新聞社が、広告掲載を拒否したのです。

言論の自由があるはずの日本で、まるでGHQの焚書のような “検閲” を受け非常に強い違和感を覚えました。

この本には、ユダヤ人を差別するような内容が書かれていたわけではありません。

むしろ、ユダヤ人と非ユダヤ人の関係を中立的・学術的に論じた良書です。

それなのになぜ、戦前の検閲のようなことが起きてしまったのか…?

その背景には、日本の出版社にとっての“トラウマ的出来事” が関係していました。

その出来事とは、1995年におきた“マルコポーロ事件” です。

雑誌『マルコポーロ』(文藝春秋)が「ホロコーストの通説を否定する記事」を掲載。

すると、ユダヤ人団体や駐日イスラエル大使館から強い抗議を受け、

最終的に雑誌は “自主廃刊” に追い込まれたのでした。

この事件以来、大手出版社は過敏になり、この『ユダヤ人』という本も、
まるで “語ってはいけない書物” のように扱われてしまったのです。

******

このような事件から、『ユダヤ人』は世界的名著であるにもかかわらず
日本ではあまり知られてきませんでした。

しかし、「今こそ読んでほしい」と、中山先生は言います。
というのも、この一冊には、現代のパレスチナ紛争を読み解くための
秘密が記されているからです。

いったい、何が書かれてたのか?
内容説明
金融支配、国家主義とグローバリズムの相克、移民問題、ホロコーストを予言。待望の本邦初訳。

目次
本書のテーゼ―難題にいかに対処するか
問題の否認―ユダヤ人問題は存在しないとする態度
問題の現局面―ボルシェヴィキ主義とユダヤ人
摩擦の一般的原因―ユダヤ人の特質と流儀
摩擦の特別の原因―敵意に油を注ぐもの
私たちの側の摩擦の原因―不誠実と無知
反ユダヤ主義者―増殖する敵意と憎悪
ボルシェヴィキ主義―ロシア革命とユダヤ人
世界全体での立ち位置―その支配の実態
イングランドにおける立ち位置―その特殊な関係〔ほか〕

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