巻機山の米子沢に挑む②2024年09月08日

 夜6時から12時頃までは缶ビールの酔いと疲労でぐっすり眠れた。トイレに起きると深夜を回る。蚊取り線香を一本燃え切ったのでつぎ足す。実際に蚊が居ることと熊除けでもある。いったん起きるともう眠れない。午前3時にはトタン屋根を叩くような降雨があった。しばらく続いて沢登りはどうなるやらと気をもんだが雨は止んだ。うとうとしていると午前5時にコンコンとノックがあった。
 今回の米子沢は研究すると単独で行くのはリスクが高そうだった。過去には死亡事故もあったので関東圏の沢の精通者にガイドを依頼してあった。
 ハーネスなどを付けて4人パーティで実施。若いスタッフ2名も居るので心強い。
 最初は砂防堰堤工事用の車道を歩き、水の流れのない氾濫河原の米子沢に入渓。しばらくは岩伝いに遡行、やっと水が流れているところへ来た。右岸を高巻き、景観が良くなってきた辺りで又、連瀑帯の右岸の大高巻きがあった。これで体力の消耗させられた。滝の連ちゃんを巻くのだから木の根、草の根、枝をつかんで必死で登る。沢も立ってきて登攀の要素が多くなる。スタッフらはザックが大きいのにスイスイ遡行してゆく。結局、ガイドの判断で中途で撤退することとした。私のペースでは日帰りは無理との判断である。エスケープルートがないこともある。頑張って良い所まで行ってしまうとそこで体力尽きてヘリを救助要請ということになりかねない。そうならないようにプロガイドを依頼したわけだ。過去の記録には沢中ビバーク後遭難した例もある。
私が地形図やガイドブックで研究した以上に沢が立ってきてきた。この上は等高線が詰まっているのでもっと厳しくなる。朝は青空も見えていたがいつしか雲が厚くなった。モチベーションは低下するばかりだ。現在の自分の体力では無理だった。下降は遡行よりも危険なことがある。登りに掛かった時間以上に掛かる。そろそろ下り無事駐車場に帰還した。
    清水の民宿で山の蕎麦を食う
 昼時でもあり、帰り支度を整えると蕎麦を一緒に食って行こうと誘われた。もちろん同行させてもらった。清水で登山客相手の民宿である。山菜が山盛りになった蕎麦である。大変美味しかった。
 名刺を出して改めてあいさつする。日本山岳会東海支部の名前を見て、とっさに世界第二位の高峰のK2へ登った会だね、と返ってきた。隊員のTさんなら知っているよ、と。T氏は北アルプスの山荘の経営の仕事をしていることもご存じだったから世間は狭い。一気に親しみが湧いてきた。木曽山脈の沢の話から名古屋ACCの某の名前も出てきた。行ったことがないというのでまた中央の沢で合流できたら良いな、と話が弾んだ。
 自分も若い時は木曽駒の細尾沢を遡行し、宝剣岳を越え、三の沢岳のコルに下り、伊奈川を下降して八丁峠を登り返した沢中2泊の昔話をした。或いは上の廊下の遡行の話も出た。しかし、肝心なことは今、どんだけ体が動くか、であろう。リベンジを約して別れた。
     帰路は大沢山のトンネル経由
 南魚沼市街に戻りナビでは大沢山経由でR117へ越えるルートが示された。R253より高いが行ってみた。合流地点は津南の近くだったからかなり近道である。信州中野ICから上信越道に入ったがETCカードを間違えてバーが上がらない。チケットで入るが塩尻、飯田付近で渋滞というので松本で出てR19で帰名した。
 軽油を給油すると44リットル。現地と合計で64リットル。773km走っての燃費は満タン法で12km/リットルと高燃費だった。ファンベルトを交換した効果が出ている。

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