夏山フェスタ!開催準備②2013年05月16日

 先週、引き受けた夏山フェスタの来場者に配布するという地図の下書きは昨夜ほぼ終えた。
 山岳は大抵の場合、国境や県境に位置する。下書きの白地図が実は県境や国境が明確に表現されていない。このために資料にする正確な地図が必要と知った。
 会議では50万分の1の地図を用意したが社の人らは乗ってこなかった。コンパクトな大きさにこだわった。こりゃあ、大変なことになったぞ、と思ったが、これまでに使った20万分の1の地勢図を活用することにした。出版社の地図には、著作権保護のために、地名、山名、道路などに故意にミスを潜ませてあることを思い出した。地勢図ならばそれはない。

 まず、日本三百名山をググると多くのサイトがヒットしたが、よく整理されたあるサイトの中部地方の山岳のみをプリントした。200名山、100名山は印で区分されている。これと地勢図を元に書き込んだ。最初は三重県からにした。何しろ、東海地方は名山の過疎地域であるから明示しやすい。

 地勢図の「伊勢」は台高山脈、鈴鹿山脈は「名古屋」から、「岐阜」からは能郷白山、冠山、荒島岳と続けてゆくと興に乗ってきた。「長野」「甲府」「高田」「静岡」「山梨」「金沢」「富山」「高山」と夢中で書き込む。ある地域がすっぽり抜けている。「飯田」「豊橋」である。自宅にとりに行くのも面倒なので丸善に走って買いなおす。

 「飯田」を見て、改めて思ったのは岐阜県と長野県の行政移管のことである。昭和30年代に石徹白は福井県から岐阜県へ編入された。大日ヶ岳と毘沙門岳間は国境が残り、県境は毘沙門岳から西へ曲がり、野伏ヶ岳の周辺に移った。すでに地勢図「岐阜」に反映されている。

 国境と県境は重なることが多い。岐阜県のように飛騨と美濃が合わさった場合は乖離するが、編入によっても乖離するのである。

 最新の変化は長野県山口村が中津川市に編入されたことだ。この地域は以前に馬篭が中津川市に編入している。恵那山から大文字のIを連鎖した国境の表示のみが馬篭はかつては信濃国であった歴史を示す。誇り高い信州人の葛藤を思う。

 道草から戻る。中央アルプス、南アルプス南部などを書き込む。「横須賀」は元々持っていなかった。天城山が特定できないのでググって見当を付けた。三頭山なども「東京」なので検索で調べる。
 出来上がった地図を眺めると信州一帯に偏っている。日本の屋根だから仕方がない。名山の混みあった信州のある山の東に位置するA峰がやや北東か真東か、南東かにまで配慮した。その筋に見られた場合、アバウト過ぎると恥をかく。
 おお、もう10時を過ぎた。事務所を出ると、居酒屋がドアを開け放ち、話し声が聞こえ、いい匂いが漂う。閑散としていた冬場を思うとお客の入りも良いようです。

  居酒屋の入りも盛んに夏めいて     拙作