道迷い③2006年11月08日

 11/5にも奥美濃の五蛇池山で道迷いから見晴らしのいい丘に登ろうと木を掴んだが根元から折れて30m滑落し転落死された事故があったらしい。この山はヤブ山と呼ばれる類だから丸きりの初心者ではないだろう。5年以上の山歴があるだろうと想像する。
 この山から推して道迷いは計算の内である。としたらやはり木を掴んですぐに体重をかけてしまったことが悔やまれる。名古屋市の在住というから都会育ちとみていい。子供時分から自然との付き合いが殆どなかった?であろう。大切に育てられて痛い思いをしていない、と思う。
 私は子供の頃飛び上がって木の枝を掴んで折れてどすんと尻餅をついたことを未だに忘れない。以来、木登りや木の枝を掴む前には強度を試しつつ体重をかける。またやばいところなどはだましだまし掴んだり通過するがだます、ということも重要なことである。これは身を以て体験的に修得するしかない。
 昨年秋にも奥美濃の銚子洞の遡行後下山中に誤って枯れ木を掴み70m転落して死亡された登山者が居た。この事例もだましだましの感覚を以て慎重に掴んでみればよかった、と思う。厳しい遡行後の満足感に満ちた気持ちがそんな慎重さを欠いていたのであろう。この方も名古屋市市民であった。
 都会の中で知識やクライミング技術は身につく。自然との付き合い方は自然の中に身をおいて会得していくしかない。枯れ木が折れやすいのは当然のこと。都会育ちにはこんなことから教えていかねばならない時代になった。