味な記憶 川魚談義 ― 2009年03月23日

 小学生の頃、近くの川でよくシラハエを釣った。釣るだけでなく蚕の蛹を粉末にして布袋にいれて長さ25センチから30センチはある大きな電球のような形をしたビンの口にセットする。これを川瀬の石を除いてセットしておく。蛹が下流へ流れ出て小魚が一杯に集まり、ビンに入ると抜けられない仕掛けになっている。頃合を見て様子を見に行くとビンには魚が溜まっており、上げる。
 こんなことを毎日繰り返して行く。捕った魚は腹をとって串に刺して軽く焼き、外に干す。これで余分な水分が飛び、身がしまり、旨味も増す。冬に入る前に大きな鍋で醤油、砂糖などの調味料で飴炊きにする。この味を舌が覚えているのだろう。川魚が大好きである。
 登山のついでの釣りは中々決まらないがたまには民宿に泊まって川魚にありつくと嬉しい限りである。能郷白山の登山口に近い、旧根尾村の源屋旅館の川魚定食は抜群の味とボリュームで圧倒される。特に岩魚、アマゴの塩焼きは絶品である。岩魚の刺身もあり、アマゴについては甘露煮もある。これは色々あるが白鳥の甘露煮はやや小ぶりのアマゴを濃い目のたれで仕上げて絶品であった。
 「杉錠」のアマゴの甘露煮も背びれに切れ目を入れ、軽く焼いた跡がある。但し、たれはやや汁っぽく上品な味に仕上げてある。
 つまり、スーパーでは日持ちを考慮してやや濃い目のたれで仕上げるのだろう。どちらも美味しいことに違いない。但し、土産物のパック入り甘露煮は焼きがないし、甘めで仕上げるためアマゴの美味が台なしになっている。
 もうすぐあぶらの乗ったアマゴが泳ぎ回る時期である。春は餌を食べてグングン大きくなる。その頃にまた買いに行きたい。

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