おおむね山は山を愛する人に属す 白楽天2021年08月08日

白楽天、本名は白居易(772年〜846年)。集大成の白氏文集は、源氏物語、枕草子、和漢朗詠集などに影響を与えていると言われる。ちなみに、芭蕉の座右の書には白氏文集と源氏物語が入っている。


游雲居寺贈穆三十六地主  唐代:白居易

亂峰深處雲居路

共蹋花行獨惜春

勝地本來無定主

大都山屬愛山人


雲居寺に游び、穆三十六地主に贈る  白居易
     
亂峰(らんぽう) 深き處 雲居の路、

共に花を蹋で行き 獨り春を惜しむ。

勝地 本來 定主なし、 大都 山は山を愛する人に属す。

乱峰・・・無秩序に面白く並ぶ峰
勝地・・・景色の良い所
大都・・・おおむね

面白く重なる峰また峰の奥深く、雲居寺に通う路を
みんなと一緒に花を踏んで歩きながらひとり春を愛惜する
景勝の地はもともと決まった持ち主はいない
おおむね山は山を愛する人のものである。