笊ヶ岳で行方不明の登山者が遺体で発見2021年05月12日

 早川町の老平を起点に笊ヶ岳を周回登山を試みた41歳の登山者が山頂から4km離れたところで遺体で発見された。多分ヒソダイラ辺りか。ここで力尽きた気がする。ヤマレコには13時間で周回した記録がある。かなりの無理すじだと思う。この時期はまだ雪もあるので高いところでは水を作ることができる。風当たりの少ないところでビバークというのが無難である。なぜこんな無理をするのか、多分日本300名山の達成を目指していたのだろう。或いはSNSを見て自分もやるぞと模倣したのかも知れない。目標を持つのは良いことだが実力以上の計画に陥りやすい。名山はゆっくり登れば良いのではないか。如何に早く周回する時間を競うのではなく、むしろ山での滞在時間を長くする工夫が欲しい。山中滞在というような本を書くつもりで自然に接したいものである。

野伏ヶ岳の捜索は?2021年05月09日

 早朝5時30分に名古屋を出発。石徹白へは8時30分に着いた。高速道路のおかげで早いものである。石徹白は何年振りかで訪れる。アルペンスキー場はウイングヒルズ白鳥リゾートスキー場に名を変えてやっている。石徹白スキー場は閉鎖し、白山スキー場はスノーウェーブパーク白鳥高原スキー場に名が変わった。
 以前との違いは別荘がとても増えたことである。以前に来た際に石徹白川右岸に別荘が並んでいて驚いたものだった。こんな豪雪地帯なので利用できるのは6カ月くらいだろう。
 白山中居神社に着いてみたが、Pには車2台あるのみ。対岸に渡ると品川ナンバーが1台置いてあった。これが行方不明者のマイカーだろうか。他には誰もいない。時折、釣り人らしいのが通りかかる。捜索本部があり、多数の捜索隊をイメージしていたが、これではどうしようもない。
 中居神社の社務所の人に聞くと5/5に一度ヘリコプターは飛んだがすぐに解散してしてしまったらしい。今は山頂への尾根も藪が出ているので、山菜とりと同じで捜索隊の二次遭難を考慮したとも言われた。どこで聞いても同じだと、自信ありげにいう。これではモチベーションが一気にしぼんだ。
 北陸へのドライブに切り替えた。中在所まで戻ると、鮎川信夫への詩碑への案内板があったので見に行った。

     山を想う          鮎川信夫

 帰るところはそこしかない
 自然の風景の始めであり終りである
 ふるさとの山
 父がうまれた村は山中にあり
 母がうまれた町は山にかこまれていて
 峰から昇り尾根に沈む日月

 おーいと呼べば
 精霊の澄んだ答えが返ってくる
 その谺のとどく範囲の明け暮れ
 在りのままに生き
 東洋哲人風の生活が
 現代でも可能であるのかどうか

 時には朝早く釣竿を持ち
 清流をさかのぼって幽谷に魚影を追い
 動かない山懐につつまれて
 残りすくない瞑想の命を楽しむ
 いつかきみが帰るところは
 そこにしかない

 石徹白は父親の出生地らしい。
http://itoshiro.net/map/map0310.html

 詩碑に佇んでいると、ぽつりと冷たいものが降ってきた。今日は雨になるのか。長良川流域では晴れていたが、日本分水嶺を越えると日本海側の気候になり、じめじめと湿った雨が降り、悪いのである。

笈ヶ岳でも単独の登山者が行方不明に2021年05月08日

 北陸中日新聞から
「全国で山岳事故が相次ぐ中、登山経験者が遭難するケースが目立っている。石川県白山市では四月二十九日に「笈ケ岳(おいずるがたけ)」(一、八四一メートル)に単独で入山した石井洋さん(70)=川崎市=の行方が分かっていない。山岳救助の専門家は「山では経験者でも危険な場面に遭遇しうる。雪が解けて入山しやすい春山こそ、万全の装備で身を守る必要がある」と話す。(都沙羅)
 家族によると、石井さんは身長約一七〇センチで体重六〇キロ、短い白髪で眼鏡を掛けている。入山時の服装は不明だが、四月二十九日午前三時に同市の自宅を出発し、五月一日午後十時ごろに帰宅すると家族に伝えていた。中宮レストハウス(白山市中宮)に車を止め、冬瓜(かもうり)平を経由する登山ルートを予定していた。日本二百名山に選ばれる笈ケ岳だが、残雪期以外は猛烈なやぶに覆われる。
 白山署によると、神奈川県警から石井さんの行方が分からなくなっているとの連絡を受け、石川県警ヘリコプターと富山県の消防防災ヘリが四日までに出動して、冬瓜山付近を捜索したが、見つかっていない。
 登山仲間によると、石井さんは五十年以上前から月に一度は登山する経験者。四日に北アルプス・槍ケ岳(長野県)で遭難し、死亡が確認された三人も愛好家のパーティーだった。富山、石川両県にまたがる医王山で五日に救助された金沢市の親子三人も登り慣れた山だった。
 警察や消防に救助指導をする「日本山岳レスキュー協会」(神戸市)の山本一夫会長(76)は「温暖な春山も、ひとたび天候が荒れ狂うと、猛吹雪で周囲が見えなくなる『ホワイトアウト』の状況になる。低体温症の懸念の中で、山道を長時間歩く持久力や天候を判断する力があるのか、登山者は問い直す必要がある」と指摘。「簡易テントやコンロ、コンパス、地図を使いこなせる状態で装備してほしい」と話す。
 石井さんの行方について家族が情報を募っている。連絡は家族=電090(6313)5257=へ。」
 ・・・真坂、笈ヶ岳は藪山か雪山に精通した登山者が行く山です。単に登山を長くやっていても登れるわけがないのです。槍ヶ岳の遭難者はSNSで知りあった者同士で1人は登山を始めて1年ですから遭難は織り込み済みです。この方も単独で登ろうとする以上は下調べや偵察山行もなさったとは思いますが、気象条件を考えるとどうだったのか。
 途中の平らなところでビバークをしている可能性もあるので捜索を続けてゆくしかないだろう。

遭難に不思議の遭難なし2021年05月07日

 今年のGWも多数の死者を出す山岳遭難が発生して終えた。中には行く不明のままで捜索を打ち切られた登山者もいる。
 中でも珍奇なのは九州の甑島の離島のナポレオン岩に取り付いたクライマーの救出劇があって驚かされた。クライマーはこんな珍奇な岩場を好んで探してはあちこちで騒動を起こしてきた。
1白山山麓の天然記念物の岩にピンを打ち込んだ
2東濃の天然記念物の岩にピンを打ち込んだ
3愛知県の岩場周辺でも屎尿の問題でトラブルがある
4熊野の那智の滝を登攀したクライマーがいた
5その他
 遭難事故はクライマーだけではないが何かと目立つのはなぜだろう。珍奇で、テレビ的な派手さがあり、ニュース性が高いのだろう。
 槍ヶ岳では3名が遭難死したが、登山を始めて1年目というから驚かされる。登攀技術だけなら街の人工クライミングゲレンデで修練はできるだろう。しかし、厳冬期と同様の気象条件で槍ヶ岳に挑戦するのは経験不足という他ない。しかもネットで気楽に組まれたパーティと聞くと如何にも今日的である。
 また相変わらず、登山届を出していない登山者が多く遭難した。出しても確実に救助される保証はないが、初動捜索に寄与することは間違いないだろう。
 石徹白の野伏ヶ岳の行方不明者も発見されることを期待してニュースに当たったが何も手掛かりはなかったまま、今日も終わる。

野伏ヶ岳で登山の67歳男性が遭難か 捜索も手がかりなし2021年05月05日

https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagoya/20210504/3000016511.html?fbclid=IwAR05bMiE4dVKFSv9Dt1vh-zlvM2FNWpz2_yyUhHB7ZnIZfSomIS4v9eubmM

 登山道が無い山なので捜索隊も途方に暮れているでしょう。捜索隊は頑張ってください。
 4/30に妻宛てに電話で野伏ヶ岳に行くと伝えた。5/3になっても下山の電話が無く、妻が警察に届けた。5/4に警察で捜索活動がされたが、発見されず。5/5は朝から雨で、現地でも捜索は困難だろう。この山に登る前は猿ヶ馬場山に登っている。野伏ヶ岳もともに日本三百名山であるから、GWに集中的に登りに来られたんだろう。どちらも無雪期は登山道が無く、登れないから残雪期を選んだと思います。なので道迷いに備えて、ツエルト、非常食、コンロなどを携帯し、ビバークの準備くらいはしていると思いたい。
 GWに入る前に、知人から野伏ヶ岳の状況の問い合わせがあった。今年はFBなどの仲間内の記録から雪解けが早く、残雪を踏んでの登頂は困難でしょうと、伝えた。山岳会の仲間も願教寺山への渡渉地点で撤退していることなど教えてあげた。多分中止していると思う。
 不明の男性も林道を歩き、あの広い和田山牧場までは登れたに違いない。そこからどう登るか。
 ヤマップの記録では4/30が近い。ダイレクト尾根を登り、北東尾根を下っている。
 バンビさんの日記から「いろいろ試練があり山の怖さ甘くみたら痛い目にあうのがわかった山行きとなりました😅
 薮こぎが激しすぎるのと、下山すごい豪雨になって見えなく薮でストック無くすし携帯充電切れ道迷いにあうし。最悪なのは道迷いで池にたどり着いて雪の池を膝まで入り渡ってようやく道に出て下山。雨は大丈夫だろうと雨具、着替え持ってかなかったから凍えそうになるし山を甘くみてました🙏反省し今後気をつけないと遭難しかねないですね😅」と報告されている。
 不明の男性もルートファインディングに苦労していると思う。しかし、ベテランだろうから、推高谷の源流部に回り込んで、1481mの稜線なら雪が残っているかも知れません。そして留意すべきは福井県側の広い緩斜面に迷い込んでいないかどうか。または橋立峠に周回して、激やぶの斜面で疲労困憊しているか。などと想像しています。
 関東圏の登山者は奥美濃のヤブの濃さを甘く見ない方が良い。藪漕ぎできないくらいに雪で押されて曲がっている。
 まだ不明後5日間であり、食料はないと思うが頑張れる限界だろう。

GPSと同行二人2021年05月04日

 http://www.maenaem.com/henro/bas.htm

 お遍路をはじめると、様々のところで目にするのが、この「同行二人」。「同行二人」とはお遍路がお大師さまと二人ずれという意味です。遍路では一人で歩いていても常に弘法大師がそばにいて、その守りを受けているとされています。そして、遍路で使われる杖には弘法大師が宿ると言われています。
以上

・・・昨日はヤマップの検証登山でしたが、四国遍路で使われる同行二人を思った。一人で歩いていても、弘法大師様といつも一緒という思想である。
 登山においては道迷いの遭難が一番多い。地形図をよく見ていない、世空言を考えていて、道を間違ったりする。山の中で慌てても危ないことが多い。滑落や転落も間違った結果の複合遭難化も知れない。
 間違った、怪しい、どっちかな、等の疑義を思えば、GPSを使えば自分がどう歩いて来たかをチエックできる。間違っていると判断したら引き返すことが可能である。現在地確認にGPSほど便利なものはない。但し、電池が要るので地形図の基本的な読み方の上に立っての道具である。

下着一枚の差2021年04月20日

 4/18の奈良県の沢登りで71歳の女性の死亡が伝えられた。低体温症」だった。このところはしっかり冷え込んでいた。そんなところへ沢の水で体を冷やすとダメージが大きい。
 ここで知りたいのはどんな下着だったのか。近年は個人情報を盾に真実が報じられないから他山の石として教訓にすることができない。そもそも、高齢の域に達すれば低温を感じにくくなるらしい。かつてGWの北アルプスの稜線で白馬に向かった中高年の数名が低体温症で全員死亡したことがあった。
 稜線の風吹きすさぶ中で低温下で立ち止まれば、ぐんぐん冷えてゆくだろう。ツエルトをかぶるなり、保温に努めないと低体温症になるのは自然の理である。
 奈良の沢登りの女性も低水温に慣れていない中で、また体も十分温まらないとこんな悲劇もありうるだろう。常に温かくする、衣類が一番、熱い飲み物でも作るのが良い。かつて夏の北アでも霧の中の低温で小屋に入り、熱いコーヒーを飲んだことで生き返った気がした。自分を飼いならしながらが登ることである。

低体温症2021年04月19日

奈良県川上村に沢登りに行った大阪の山岳会員4人の内、1人が低体温症で71歳の女性の死亡が伝えられた。上多古川らしいが、具体的な山行計画までは不明。
このところは気温が低いので、水をかぶることもある沢登りには不向きな気象状況だったと思われる。
18日は恵那市の笠置山に登ったが、1128mの低山ながら降雪があった。名残雪、終い雪などと言うが晩春でも油断出来ない。あらかじめ、低温は予測して、冬山の下着を着ていったから、ブルブル震えることもなく、無難に下山した。山岳遭難は想像力の欠如だと思われる。

乗鞍岳で雪崩事故発生2021年03月14日

 本日、乗鞍岳で雪崩事故が発生した。午前10時ころ、標高2400m付近で長さ300m、幅200mの規模の様子です。このところ降っていなかったが、むしろ雨で古い雪の表面はザラメになっていたと思われる。そこへ新雪が降ったのでしょう。雪崩易い条件ではあったのです。それに午前10時というのも留意しておきたい。現在長野県の夜明けは6時過ぎなので、出発も遅くなったと思います。スキー場終点は標高1750mくらいなので2400m付近の雪崩現場まで比高650m。リフト終点付近で幕営して8時頃に出発するとそれくらいになる。それに長野県側というのは東面なので夜明けとともに気温が上昇する。着いた頃は最悪の状況だったでしょう。

定例会のリアル2021年02月24日

 久々に山岳会の定例会に出席。ズームで出席も数名いるので人数は少なかったが、リアルな会合はやっぱりいいですね。今夜は古手の会員から伝統行事の継続と意義を見直しの疑義が飛び出て少し長引いた。
 伝統だからと言って毎年反省もなしに続けて良いのか。現場の会員らは意義を感じておらず、やらされ感があるというのである。趣味の会でそれは無いよ、という強い主張で緊迫した雰囲気になった。
 ボトムアップならば良いが、トップダウンは承服しがたいのである。確かにそうだ。再審議ということになった。
 もう一つは遭難事故の顛末である。昨年6月の事故当事者がまだ立ち直っていないという。4日間山中を彷徨うという事故で滝から転落し、下山できなくなった。その人は登山届を出しておらず、どこの山へ登ったのか誰も知らない。家族が本人のPCの履歴から推測で分かった。登山口へ行ったら車があった。そこから警察と山岳会の捜索が始まった。
 幸いに発見されて九死に一生を得た。しかし高齢で山岳会幹部の若い指導者に従わない。自分の方が偉くて山岳会は自分を救済する義務があると勘違いしているのだろう。プライドの高いのはまあ人間社会では通用するが自然では通用しない。つける薬が無い。今後は登山届が無いのは救助しないことにしよう、という話になった。腹立たしい話である。