「サヨナラ」ダケガ人生ダ 井伏鱒二(訳文)2022年01月02日

 元日は寒い朝だった。お昼頃、マンションのドアに磁石で付ける国旗を掲げた。何となく淑気がただよう気がする。1Fに降りて年賀状を受け取る。約30枚位はある。今回は年内に投函する時間がなく返信の形になる。丸の内の事務所に移動する。
 三の丸の南に路駐。愛知県護国神社に初詣を済ます。心なしか参拝客は少ない。手水場は開放されていたが昨年は感染防止のために閉鎖されていた気がする。
 かがり火を過ぎて拝殿の奥深くまで行くと少しばかりの行列があった。お賽銭を用意して参拝する。これでやっと新年の気分がしてくる。
 事務所までは徒歩で行く。三の丸の外堀のテニスコート近くでは共産党系の人らが困窮者が年越しするためのテントができていた。色んな事情で職場を失い、生活するおカネにも不自由な人らがいる。一時的だが炊き出しはありがたいだろう。
 事務所のボックスを見ると年賀状は儀礼的なところから2枚あっただけだった。事業主らも新年をことほぐ気分になれないのであろう。個人の年賀状の返信のみ住所印を押し、全員一言だけ書いて投函した。元日の仕事はこれで済んだ。
 名簿を見ると死亡により削除する人も多くなった。友人知人が見る見る減ってゆく感じである。これが人生であろう。

http://ogikubo-bunshi.a.la9.jp/toku-kanshu.html

 勧 酒  (于武陵)    (書き下し文)  酒をすすむ 

勧君金屈巵         君きみに勧すすむ 金屈巵きんくつし
満酌不須辞         満酌まんしゃく 辞じするを須もちいず
花発多風雨         花はな発ひらけば 風雨ふうう多おおし
人生足別離         人生じんせい 別離べつり足たる

          和訳(直訳)  
君に この金色の大きな杯を勧める 
なみなみと注いだこの酒 遠慮はしないでくれ
花が咲くと 雨が降ったり風が吹いたりするものだ 
人生に 別離はつきものだよ

         (井伏鱒二の訳)
コノサカヅキヲ受ケテクレ
 ドウゾナミナミツガシテオクレ
 ハナニアラシノタトヘモアルゾ
 「サヨナラ」ダケガ人生ダ

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