社会に出てから、いちばんのトラップは何だと思いますか?Quoraから2020年06月28日

 一番のトラップ、「それは自律できない個人に自由はない」という事実です。

 自律とはなんでしょうか?コトバンクにはこう記されています。

1 他からの支配・制約などを受けずに、自分自身で立てた規範に従って行動すること。

2 カントの道徳哲学で、感性の自然的欲望などに拘束されず、自らの意志によって普遍的道徳法則を立て、これに従うこと。

日本の教育システムが大学受験ゴールになってるが故、一つの正解を導く能力が高い人材をベルトコンベア式に大量生産する方式になってるのは言うまでもありませんよね。ピンときてない方のために僕個人の視点から、センター試験が受験生に何を問うているか例をいくつか出しましょうか。
【国語】
マルティプルチョイスで「作者の意図」を答えさせる、これは空気を読む訓練をしてるだけです。本来は自分とは何か、自分が本当にやりたいことは何かを探究すべき時期ではないでしょうか。

【数学】
公式に当てはめて解くだけ、ただのドリル。発想もくそもありません。

【理科】
本来は世の中に存在する現象のパターンを発見し、解像度をあげていくための科目なはずだが、実際やってることは式へのはめ込み。

こんな詰め込みだけを小学校から12年間ずっとやってるわけです。

大学受験がゴール故、入学後はいっきに減速します。単位だけ取れればOK、あとはバイト、異性とのデートでだいたい頭の中はいっぱいです。

「勉強」と「研究」の違い、即答できる方はどれくらい居ますかね?

▼ 勉強:教科書を"読む"作業
▼ 研究:教科書を"創る"作業

 大学は本来「研究」の場です。論文ってそういうことじゃないですか。自分が興味を持った研究テーマについて先行研究をリサーチしてアジェンダを設定し直し、研究の成果として世の中にまだ出てない事実をリリースすること。

 しかしどうでしょう、大学で書いた論文を誇らしげに他人に説明できる人ははぐれメタル級のレア人材です。これは当然でしょう、だって12年+4年間、結局「勉強」しかやってこなかったわけです。

 これが冒頭「自律できない個人」と表現した正体です。
 要は分かりやすく言うと、指示待ち人材です。

 僕も例外ではありません。運良く、世間で言われる一部上場企業に正社員で入社できました。OB訪問で話を聞いていた"高い報酬"や"働く場所を選ぶ自由"など、入社するだけで悠々自適な生活を手に入れたと大きな勘違いをしてました。

 入社間も無く、現場に出されて「お前はどう思う?」「なんで?それはなんで?だけどなんで?もう一回聞くけどなんで?」など、毎日げき詰めされました。少なくとも僕は指示待ち人材だったのです。

 これを脱却するのにはかなり苦労しました。

 次にやってくるのは「新卒で入った最初の会社が最強説」です。よく飲み会などで自分の会社のことを愚痴る場面ってありませんか?僕の会社も例外ではありませんでした。愚痴ってるわりには全然辞めないんですよね、その人達。例えるなら、完全要塞のコンフォートゾーンから出られなくなってるんです。

 自分の人生なんでその環境を改善する責任は自分、という当たり前のイシューにさえまともに対峙することができません。要は思考停止の状態です。

 考えてみてください、好きでもない仕事のために毎朝満員電車に乗ってベッドタウンから通勤往復3時間。これを定年まで40年間続けるって狂気の沙汰です。そんな人に自由なんて訪れません。

 40年って分かりにくい表現かもしれないので、この通勤時間を敢えて時給で計算してみます。一般的な会社員の時給は2,000〜5,000円のレンジに収まります。往復1時間使ってるとしてシミュレーションしてみます。

20(営業日) x 12(ヶ月) x 40(年) x ¥2,000〜¥5,000(時給) = 約1,900万〜4,800万

に相当する時間です。普通の人はだいたい電車の中でツムツムやるか寝てますよね。約2,000万溝に捨てるような行為ですよ。上に書いてる往復3時間なのであれば最低でも3倍の約6,000万捨ててるわけです、相当な機会損失ですよね。

結果的に僕は自分の意思で転職を経験したりして今がありますが、未だに会社の愚痴をいいながらその会社で勤続してる同期もざらにいます。名が通った会社でパワポ資料作って、ろくろ回すプレゼンを続けてたら、自分自身の軸はないくせに、不健康なSelf-Esteem(≒プライド)が育つのでしょう。

 そんな彼らは僕から言わせると、自律してるとはとても言えません。伴って、彼らには自由などありません。ただ奴隷のように会社の歯車になるだけです。というか恐らくその事実に気付いてもないです。

 自律した人材になるには、自分固有の人生の指針が必要です。会社や友人への打算を一切排除した自分というたった一人の主人公の世界です。コンフォートゾーンを出ること、それは何歳になっても遅くない。

気づいた今が好機(チャンス)です。
以上

・・・・ちょっと長いですが気になる文章でしたのでコピペしました。いいねも525件をゲットしています。中々の高得点ですから内心不自由な人生を渋々生きている人が多いことの証左です。

 いやホントです。大企業に入社できたらなるべく早く結婚し、子供をつくり、ローンで住宅を購入してしまう。雇用主側もこんな人材を好みます。なぜなら会社を裏切って転職することが困難になるからです。自社に腰を落ち着けてくれると期待されます。適宜出世もさせてくれます。するとほぼ一生会社に縛り付けられるが経済的には安定的な人生を送ることができます。定年後は世間より高めの年金と企業年金で悠々自適の老後になります。

 しかし、自律的人生とはほど遠い人生になります。知人の兄は大企業の部長職まで出世しました。定年後も同期の集まりがあると、オタクは何年に昇格した、何歳で昇進したとライバル同士の品定めで、自分は彼より早い、若くして出世したとかの価値観で話がされるとか。
 何とつまらないことか。ある友人も大企業の役員まで出世しましたが、花道として子会社の社長就任を打診されたのですが、断って好きな人生を歩んでいます。ほとんどの人はそれが幸せと感じて、別の生き方があるにもかかわらず、何も知らないまま人生を送っているんだと言っていました。