会心の山スキー!薙刀山と日岸山を滑る2008年03月23日

 土曜日の午後仕事の引けたW君と合流し骨折後の本格的な山スキーを希望のKさんを瀬戸市で合流して一路白鳥を目指した。行き先は石徹白。30年間も毎年のように通ったが同じ山に何度も登るのでまだ日岸山、よも太郎山、天狗山、初河山が足跡を残していなかった。今回は日岸山を狙った。
 石徹白川を渡った右岸の空き地でテント泊。朧月であるのが気になる。車中泊よりも温かい気がした。午後10時、早めの就寝とした。
 午前3時起床。簡単な朝食、テント撤収、移動とテキパキやったつもりでも出発は4時55分になった。
 林道上には雪が残るも上部の日当たりのいいところや水の多いところではもう雪消であった。折角履いたスキーを脱いで肩に担いで少し歩かされた。日陰になって雪が続いたあたりから又シール登行をする。林道に忠実に登るとロスが多いので右の尾根を登る。6時30分和田山牧場跡に着いた。一面の雪の原である。一本杉のところで休憩。
 台地上を歩くと眼下の凹部も雪の原である。大小3張りのテントがあった。テントの周りで大勢が何やら動いていた。シールのまま滑りこみ、横切った。雪原を蛇行する源流が見られた。登り上がると林道に出合う。そのまま右に行く。野伏ヶ岳から降りてくる北東尾根の付根でKさんと別れた。Kさんは単独で野伏ヶ岳を目指した。
 我々は推高谷へ続く踏み跡を追った。一旦下って尾根に取り付いた。急であるがシールの食いつきが良くて後ずさりしない。グングン高度を上げると薙刀平の一角である。天然のスキー場かと思うほど素晴らしい薙刀平である。森本次男の『樹林の山旅』には今の白鳥高原スキー場も「雪の石徹白高原」の中で葡萄ヶ平と呼ばれた。おそらくここも開発されれば人気を呼ぶだろう。但し冬は北陸特有の天気が悪い。
 日岸山へは薙刀山の東側の斜面をトラバースした。向うに見える平らな尾根を目指したが目前で雪崩の跡があって進退を極めた。パックリ口を開けた雪の層の下には根曲がり笹が顔を出している。立ち木が殆ど無いので危険な個所だ。しかし上を目指すにも急斜面だし、雪崩の止まった下まで下るとロスが大きい。結局シールの食いつきのよさ、気温は高すぎるでもない、との判断で直進した。今にも雪崩れそうな斜面をそうっと静かに通過して危険箇所をパスした。目的の尾根の平らなところに行けた。
 県境稜線にはすぐだった。一旦鞍部に向けてシールのまま滑降。単独行とすれ違う。鞍部で昼食。風が非常に強い。11時、再び県境稜線を登るがまた神鳩の小屋で一泊して銚子ヶ峰、願教寺山から縦走してきた6人パーティーに会う。気持ちよく滑って行った。
 11時40分日岸山登頂。雪の平らな山頂である。三角点は無く地形図に名前が印刷されず石徹白の里からも見えない山ーこんな山こそ不遇な山というべきである。となりのよも太郎は一段低くて行く気がしない。あんな山はやはり下から登るべきだろう。願教寺山はガレているのでよく分かる。銚子ヶ峰、三ノ峰、別山、白山へと続く豪快な展望である。昨年登った芦倉山、丸山、初河山、大日ヶ岳、毘沙門岳、内波川右岸の山並も素晴らしい。赤兎山、大長山、経ヶ岳、荒島岳、部子山辺り。高曇が撮影には今一であるが展望と雪質は最上を保証している。春霞にならなくてよかった。
 12時。シールを剥がして滑降する。実に自在な滑降を楽しめた。薙刀との鞍部にある源流部も素晴らしい山スキーの別天地である。やっぱり薙刀山を越えて登山するのでなくこの山だけを目指す登山がいいだろう。テントを上げて日長山スキーを堪能したいものである。
 鞍部へは12時9分であった。40分の登りも滑降はたった9分である。源流部で再びシールを装着。薙刀を目指す。日岸山よりも低いせいか案外楽なアルバイトで12時45分に薙刀山に登頂できた。私は2回目だがW君は初。それゆえ歓びも一入である。13時、またシールを剥がして滑降。ただし推高谷に滑り込むためにしばらくは稜線沿いにトラバースした。適当なところから薙刀平に入る。緩斜面ゆえ自在に林間滑走を楽しむ。唯一付けた赤布を発見し回収。滑りこむと推高谷の取り付き点にピタリ下れた。谷底から階段登行で急な斜面を登る。和田山に向って滑る。林道跡を忠実に辿ると和田山であった。14時20分であった。1時間20分の所要時間は会心の滑降だった証明である。
 14時50分、中居神社に向けて最後の滑降は林道である。15時35分石徹白川のPに着いた。安全無事に下山できたことを白山の神に感謝した。

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