天白八事散策2008年03月16日

 春の陽気に誘われてつい外出した。新聞で見た新刊書を見るためにまた八事界隈の散策をしながら杁中駅まで歩いた。塩釜駅付近で横道に入り「天白八景」の塩竃神社を経由するつもりが高い所へ迂回してしまったようだ。南向きの日当たりがいい斜面に隙間無く住宅が建っている。さしずめ名古屋の山の手といった雰囲気である。庶民的な住宅なら洗濯物が一杯干されて生活が伺えるがこの一体は外からは伺えない。どの家もきちんと門構えがあり庭木がある。
 たぶんどの家からも外の景色が見えてすこぶる快適そうである。平地の住宅街だとこうはいかない。周囲はみな家が建ちこむとむしろ閉ざしてしまうような生活になりがちである。大雨の際の土砂崩れを心配するが山の斜面は侵食に強い古生層でありむしろ水はけはいいだろう。長久手、大久手といった久手がつく地名は水はけの悪い湿地帯だった名残の地名である。そういう便利な土地こそ庶民の暮らすところであろう。
 瀟洒な喫茶店もある。一度入ったことがある。そこから旧飯田街道に出合う。八事の交差点からは飯田街道を下り杁中に着く。八事興正寺も外から見ると閑散としてみえる。木々の梢もまだ芽吹きはみえない。春はまだ兆したばかりである。
 書店に入るがここはいつも欲しい本がない。それでも来るのは一応大型書店ゆえである。仕方なく御器所まで足を延ばした。ここもないので地下鉄に乗り千種のちくさ正文館にいく。人文系の本はたいていここで間にあう。駐車禁止の取締りの規制が強化されてから車では来にくくなった。駐車料金も本代のコストであるから。
 『小津ごのみ』、平凡社ライブラリー版『北八ッ彷徨』、『山の本』2008年春号など。見てみたい本は全部あった。小津さんの本は新鮮味なく見送り山書だけ買った。『北八ッ彷徨』は2001年の定本をすでに持っているが表紙の美しさについ買ってしまった。ブルーガイドブックスの『八ガ岳』(昭和50年)の中で著者の川口邦雄が概説の中で紹介していたが読んだのは定本が出てからであった。
 千種から再び地下鉄に乗り栄で下車。とりとめなく丸善の山書コーナーを探る。『名古屋周辺の山200コース』『新分県登山ガイド愛知県の山』が平積みになっている。いよいよ春の感を新たにする。車中泊のハウツー本が複数でていた。高速道路が普及してETCの深夜割引をゲットするには車中泊をすることもある。他に食指は動かず。
 石井スポーツの店に寄ったが春スキー用の山の板が多数陳列中だった。今年は遅くまで楽しめるだろう。しかし寂しいことにもう買うものがない。藤蔓のストックリングは製造中止で在庫なし。自作しようかと考えている。雪崩ビーコンは単独で買っても意味がないしね。ウム。