荷風の文学碑散歩2007年09月22日

 川本三郎『荷風好日』(岩波現代文庫111)の中に荷風の父祖の地として愛知県名古屋市南区にある西来寺が紹介されていたので早速行った。国一の大慶橋に近いところで狭い路地を通り抜けて着いた。
 南区の散策路にもなっていて案内板が立っている。中にそっと入ると本堂の右脇に堀口大学の揮毫で大きな文学碑が設置されていた。「人生の真相は寂寞の底に沈んで初めて之を見るのであろう」と刻まれている。永井家は代々愛知県に深い縁のある家柄であった。
 
*前回の記事中の俳句で
 すき腹にしみ込む露や今日の月
とあるが露はどう考えてもおかしいので読み返したがやはり印刷は露である。1987年以来20年34刷であるから誤植はないと思う。本人のミスであろうか。前後の散文では終戦直後の食料難で米が不足していて9/16の日記には大豆また玉蜀黍を混ぜてお粥にして食べている。それでも朝夕三度は食いがたし、記す。
だから
 すき腹にしみ込む粥や今日の月
であろう。9/22の日記では「粥腹のひもじさ耐え難ければ云々」と書いている。

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