水無月句帳2016年06月08日

ギンリョウソウ
    5/28 本宮山 宝川から表参道
岩の戸ゆこの一滴(ひとしずく)岩清水
・・・国見岩の一段下の岩の割れ目から浸みだす清水。信仰の山に湧水あり、湧水なくして信仰の山ならず。

    6/2  本宮山 新東名起点周遊
風生のふるさとの山涼しかり
・・・愛知県の東部に多い姓は夏目、今泉とこの富安さんで、福岡県に次いで2番目。ふるさとの山は当然、本宮山のこと。

    6/4 宇連山
得もいはず薄紫のコアジサイ
・・・濃紫陽花もコアジサイというが違う品種。淡い紫色。

突き抜けし腐葉土の精ギンリョウソウ
・・・土を突き破って銀白色の木の子が出ている。種子や胞子を育む土って不思議。

ホトトギスやっとかめだなと迎へける
・・・やっとかめは名古屋の方言というが三河でしか聞かない。八十日目と書き、ひさしぶりの意味。

見へねども遠近で鳴くホトトギス
・・・ハトより一回り小さい。鳴き声はよく聞くが、姿を見たのは北ア・燕岳の登山道で見たのみ。

夏鶯緑はてなし山野かな
・・・登山道の隙間から眺める山間地は緑一色に染まる。

短パンにストッキングの登山服
・・・最近のトレンドは短パンを履くこと。皮膚を守るためにストッキングが居る。確かに膝は楽だろう。

千枚田父祖から継ぎし植田かな
・・・1290枚の棚田で構成する四谷千枚田。突然の山崩れで家も谷も埋まったという。それに負けず汗と涙で棚田にした父祖の遺産。

V(ブイ)の字のフタリシズカの白い花
・・・日の当たらない桧の林床に育つ。裸地で他の雑草との生存競争もなく可憐な白い花を咲かせる。