六月の樹々の光に歩むかな 石井露月2016年06月21日

 読売新聞朝刊26面の文化 文芸欄の対談「俳句とは」で矢島渚男氏と宇多喜代子氏が語り合う中に出てきた石井露月という俳人。宇多さんが最初に出会った俳人だった。人のことでなく、山を詠むに惹かれて調査開始。
 ソース:増殖する俳句歳時記にあった俳句
http://www.longtail.co.jp/~fmmitaka/cgi-bin/g_disp.cgi?ids=20000601,20000531,20000530&tit=20000601&today=20000601&tit2=2000%94N6%8C%8E1%93%FA%82%CC

 露月の人となりは
http://d.hatena.ne.jp/pract/20050517
 
以上
 おそらくは授かったような俳句である。先だって登った本宮山の奥宮の裏の森の雰囲気がこんな感じだった。うっそうとした喬木の森にも多少の光はさす。6月の山の上なので緑はまだ若く見える。小鳥の鳴き声を聞くともなしに聞く。木々の間から漏れてくる光の下ゆっくりと歩む。

 秋立つか雲の音聞け山の上
 雪山はうしろに聳(そび)ゆ花御堂

 露月は文学を志したが一人前になるには資本が要ると諭され、断念して医者になったという。私の先輩にも東大文学部を受験して失敗。名古屋帝大医学部には合格して医者になった人がいる。文学は才能が要るという点で医者よりも難しいのである。その上に文章修業、作品が売れるまで食いつなぐお金がいるわけだ。