映画『RAILWAYS愛を伝えられない大人たちへ』鑑賞2011年12月05日

 朝、ベランダに出ると快晴の冬空に白い御岳がうかぶ。山日和であるが今更行けないがさりとて自宅には居れない。昨日の中日新聞夕刊に紹介されていた表題の映画を見ることにする。12/3全国公開されたばかり。
 ミッドランドスクウェアシネマにて。当日ながらインターネットで予約すると大人1800円のところ60歳以上は1000円とありがたい。
 入りはまあまあ。座席を指定したときは少し空きが目立ったが劇場へ来てから買う人もいるのだ。前宣伝がかなり長く続いた後、ようやく開幕。 
 映画『潮騒』を観て以来の三浦友和ももう当年とって59歳という。初々しく神島で恋人同士の愛を演じた友和の頭はシルバーグレーで風格を出しているがやや老け役に見える。42年間の鉄道員の人生を終えようとする役どころだ。
 定年後は妻と二人で国内か海外旅行にでも行きたい希望がある。不規則な電車の運転士のために弁当を作って送り出してくれた。長年連れ添った妻への愛をそんな形で伝えたいと思っている。
 本人は50歳で結婚したという妻役の余貴美子(55)は初見。55歳には見えない美人女優である。
 長年連れ添った妻のくたびれた感じを出すためかすっぴんで、しかも目元のしわ(いわゆるからすの足)まで演出されている。これはちょっとやりすぎだろう。ひっつめ髪で余りお化粧する様子はない。元看護士の妻は夫の定年を待ちわびたかのごとく仕事に復帰したい希望である。
 映画はこんな熟年夫婦の心のずれを描くところから始まる。どこでもありそうなテーマはふと小津安二郎のホームドラマを彷彿する。そりゃあ、松竹さんの真骨頂ですからね。
 浮気とか伴侶の突然死とか別れがあるわけではない。大した事件性のあるドラマではなく、勤務先の富山地方鉄道の職場風景、車窓の風景、車内の場面、自宅の畳の居間、キッチンの風景だけである。
 中途から仁科亜希子扮する高校時代の同級生がバツイチ役で登場するがあれは何の目的かね。花があり過ぎて浮き上がっている。吉行和子扮する老婆役もやや不似合い。
 人間間の些細な波風はいくらでもある。しかし、そこに挿入される立山連峰の雪景色とレトロな電車がマッチして懐かしい風景を醸し出す。これが楽しみで観にいったようなものであるが・・・。天気のいい日に立山連峰を眺めたことがないので。
 余貴美子の好演が光る映画でした。夫に対し控えめながら粘っこい?富山の女性気質を演じていたように思う。富山弁も良くこなれていたんじゃないか。しかし、どこにでもいる雰囲気の女性ではない。正装の余さんはやっぱり都会的な綺麗な人です。ファンになりますね。

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