低体温症を防ぐには?2013年01月29日

 今夜は愛知岳連理事会だった。冒頭、C山岳会、N山岳会の遭難が報告された。C山岳会は単独で中央アルプスの宝剣岳に登山後、下山し、千畳敷カール(標高2600m)でビバーク中、低体温症で亡くなった模様。登山計画書が出ていたので警察がすぐ動き、山岳会の関係者に連絡され家族に引き渡された。
 N山岳会の方は新聞で大きく報道された。行方不明のままで一旦打ち切られた。まだ原因等は判明されず。但し、捜索隊の側の考えとして、ビーコンの携帯が必須という。何もないとすぐ打ち切りになる。これは已む無し。そこに居るだけで危険なのでビーコンの反応を期待できないところへ闇雲に捜索はできないだろう。
 閉会の際、北村氏の低体温症に関してのアドバイスを記憶しておきたい。文登研の友の会でのこと。
1風を避ける。今の時期ならショベルで風下に穴を掘り、ビバークする。
2食べる。食べると胃の周囲の臓器も温められて、血液循環がよくなる。
 名前を失念した。(ペットボトル等)に湯を入れて、直接、心臓附近に当ててやる。これは著効があるとか。北海道で実践されているそうだ。雪山から搬送中に低体温症で亡くなる事例が多かったが、この処置で救命率がアップしているそうだ
3外気温の低下に警戒心を抱くこと。10℃以下になったら注意せよという。(体力が弱ると食べられなくなるので早目の判断が必要だ)
以上
 最近は一般的にも食生活は薄塩、小食、衣服の軽量化の傾向がある。これが登山にも反映されてしまって、朝飯が食べられない人が結構いる。塩は微量栄養素のミネラルを含有し、重要な食品であるが、医学関係者、栄養関係者などは高血圧、健康の敵として、塩を目の仇にように書く。発汗量の多いスポーツでは適度に補給してやることだ。
 あらゆる化学繊維は絹(シルク)を目標にする。軽くて暖かい。吸湿性、速乾性、放湿性など繊維に必要な機能はシルクが最高である。
 衣服もナイロン化、ポリエステルの極細繊維化が進み、軽く扱いやすくなった。反面、天然繊維の持つ中空繊維が省みられなくなった。多分、メンテナンス(洗濯、防虫の手入れ、フエルト化)と価格の面で化学繊維に優るものはないからだろう。
 しかし、山ではシルクやウールを見直したいものである。ウールは汗をかいても、手袋についた雪が解けて濡れても保温性がある。それは中空繊維のなせる技である。ナイロンは濡れても凍らないが、吸湿性がない証拠だし、木綿は濡れるとすぐ凍結してしまう。冬山登山で木綿の下着などもっての外である。人類の知恵を忘れては助かる命も助からない。