第33回天白川俳句会2013年01月27日

俳話会作品。13時30分から17時まで。

雪やみて鼓星の音はるかより    和子

 鼓星はつづみぼしでオリオン座の別称という。雪がやんで夜空に真っ先に見えたオリオン座をあたかも鼓を叩く音が聞こえ来るごとくと詠んだ。

障子穴ぽっかりと開く六日かな    且行

 息子夫婦が孫を連れて来て、一時は喧騒の中にあった正月三が日も過ぎた。片付けも終わった六日にふと障子に開いた穴を見つけた。静けさは寂しさと思う老夫婦の心境にも似て。

裸木や百舌の眼差しキラリとす    宏子

 自宅の庭の枯れ木に飛来した百舌。それと分かるのも鳥に詳しい友人がいて説明を聞けるからだ。作者の心を射るごとき百舌の鋭い眼差しにフォーカスした1句。

寒満月雲移ろえば己が影       順子

 老境にある作者にとって雑事に追われた年末年始であった。新年を寿ぐ余裕もなかった。孤影に包まれた寂しい句である。嫁がない娘が意外にも母思いであることを知って却って客観視できた。

金華山冬日に憩う人だかり      拙作
 
 登りにして1時間もかからない小山であるが、眺めは抜群によろしい。こんな山の近くに住む人は幸せである。