春更けて2009年04月22日


 繰り返し雑誌読むなり目借時

 さみどりの自然が恋し春深む

 春尽きて桜並木も薄暗し

 ハナミズキ咲きて想ひしヤマボウシ

 ハナミズキ山へと誘う白い花 

 春嵐高層の夜の窓揺らす

    NHKラジオから
 行春や認知症病む妻の介護談

漢検の行方2009年04月22日

 先だってから財団法人日本漢字能力検定協会の会計疑惑が連日新聞に載らない日はない。理事長の大久保昇さんが任意団体から育て上げて財団法人になったのがきっかけで受験者も増えたようだ。今は漢検ブームといわれるほど周知されている。
 実は私も十数年前に準1級を受検したが不合格であった。内容は明治文学の作品から採用されたと記憶している。級があがるほどマニアックになる気がして以降は止めた。
 しかし、検定自体が好きな人も多いから受験者は年々増加する一方らしい。それに伴って協会に入る収入も相当な金額に上る。試験問題は増えた分だけ印刷すればいいのでコストは安くなる。新聞雑誌書物などと同じで部数が増えれば試験問題1冊当りのコストは下がるから協会には追い風が吹いていた。笑いが止まらなかっただろう。
 余剰金は無税で処理できるから宗教法人と同じだ。検定料の値下げで還元すれば良かったが権威を守るためか欲かは知らないがそうはしなかった。監督官庁の文部科学省も指導してきたが従わず、今回の措置となった。大久保さんあっての漢検と思うので解散するのがいい。今年を最後としてもいい。
 協会自体はアカデミックな権威があるわけではないし、ただの模擬テスト業者である。自分が関心のある分野で不自由なく使えればいい。分らなければ辞書を引く。辞書を引くために本を読むという考え方もある。
 山岳書、俳句書には気象、山村民俗、文学、歴史、動植物、地学などの知識の集成であるから漢字の知識も膨大になる。とても漢検に受かるくらいでは手に負えないことだろう。
 以前もある書物の原稿をチエックしていたら「対峠」という漢字がありはてと首を傾げた。そしてこれは多分「対峙」ではないか、と執筆者に聞いたらそうであった。執筆者はPCを使わず、手書き原稿を会社の若い女性社員にワープロ入力してもらっていたことが分った。峙(じ、そばだつ)が読めないので良く似た峠と勘違いしたかな。こんな間違いがあるから漢検もブームになるのだろう。しかし、漢検よりも新聞をキッチリ読むことが勉強になると思う。