猿投山捜索行2017年07月08日

雲興寺の東屋に集まり捜索範囲を地図で検討する
 5月16日に忽然と行方不明になった人を探している。
 車を止めた場所と本人が地形図を駆使して山野を歩きまわる登山者ではなく、近くの住民として散歩のエリアになっていた。そのことからすぐに見つかると思っていたが7/8現在までに手がかりすら得られていない。非常に緻密な捜索態勢の網にも引っかからず、一体どこにおかくれになったのでしょう。
 今朝も4時起き、寝床でうつらうつらする内、東の空が朝焼けになった。早くおきよと、せかされているようだ。顔を洗って、5時少し前に出発する。今日は東郷町の白鳥神社に参拝した。白山社もあり、くくり姫もおわす。参拝後、県道233から長久手市で県道57になり、瀬戸市から赤津を経て7時過ぎ、雲興寺へ集結する。
 7時半を過ぎて8時までに三々五々、捜索に参加するメンバーが集まって来た。例によって過去の捜索で塗りつぶした地形図の未踏の部分をトレースするべく、班分けする。
 私は気になっていた豊田市北一色町の側から1名の応援を得て捜索することとした。
 戸越峠を越えて豊田市側に行き、北一色の林道の奥深くまで走る。途中で、猿投山のバリを下山中のパーティに遭遇し驚く。彼らは猿投山最高点の632mに直接突き上げる沢を下降してきたらしい。道はないそうである。「まだ見つからないんですか」というから彼らも知っているんだろう。(捜索の張り紙もあるし)
 彼らと別れて尚も走って、舗装が途切れた終点らしいところで車をデポする。
 林道を少し戻って小さな沢を遡った。沢なので道形は崩壊しているが水量はないので登山靴のまま遡れた。水が絶えて、尾根への踏み跡も見いだせた。地形図の破線路のイメージ通りである。尾根の道形はしっかり残っていて歩きやすい。しかもよく掘れている。きっと炭焼きとか塩を担いだ行商の道だったであろう。豊田市と瀬戸市の境界の470mのピークには難なく着いた。捜索はここからだ。
 一旦は480mの独立標高点を目指す。ここは巻道があったが直登する。猿投山への北尾根道はしっかりしている。480mから東南の尾根を少し下って北尾根にスイッチバックする。一と癖ある地形である。赤テープが多いので助かる。猿投山への道はここで一旦鞍部まで下る。そして登り返すと629mの山頂である。登頂には向かわず、水線のある浅い谷は既に捜索済みなので引き返す。
 470mまで戻って戸越峠までの北(市界)尾根を探ってみた。踏み跡は明瞭で破線路との分岐には顕著な赤テープがあった。ここも踏査済みである。市界尾根を辿ってみた。ゆるゆる進むと急な断崖で尾根が左右に分岐した。地形図の戸越峠の印刷の越の辺りと思えたが、同行者のスマホの軌跡ではかなり手前を示唆している。
 地形図と実際の地形はかなり違う。そこで赤テープのあった少し手前の分岐まで戻って下ってみた。この踏み跡の赤テープはすぐに見失った。結局は尾根の直下の山腹のけもの道らしい足跡を辿って破線路辺りまで戻った。事実破線路に合流している。これも実感では市界尾根に思えたがスマホの軌跡は破線路を示した。
 山勘はいかに当てにならないか。
 同行者もルートファインディングのいい勉強だという。山中の行方不明者の捜索というものは山野を跋渉するから猟師の行動に似ている。獲物を追う猟師山を見ず、であって猟師も遭難することがあるのだ。
 市界尾根に戻って470mに戻る。さてどう下るか、相談。私は480mの東南尾根を下る案を示す。往路の沢道は下りたくない。この尾根にもきれいな山道が残っていた。そして林道へすとんと下れた。途中で右の明るい森で山腹を下ればあるいは実線の未舗装の林道へ下れたかも知れない。
 何とか無事に下れた。手がかりはないのが残念である。
 小長曽陶器窯跡の入り口にマイカーを止めて1時間の行動範囲を改めて考えると戸越峠周辺の微細な地形が気になる。転落すると厄介なことになりそうな急峻な谷の地形である。
 11時30分か、捜索を終えて雲興寺の本部に帰って報告。誰からも発見の言葉はなく口が重い。家族には焦燥感が募ることだろう。それぞれが解散となった。
 帰路は豊田市民芸館で開催中の写真展に寄る。長年の友人が矢作川流域の自然の風景を撮りためたものだ。
 帰名中、思いついて長久手市の景行天皇社にも寄った。猿投山の由来は景行天皇が猿を投げたという伝説に由来する。猿投山上に祀られている墓の大碓命はヤマトタケル(小碓命)に殺されたことになっている。関係の深い神様である。ここにも白山社がある。明日の発見を祈願した。
(写真は捜索メンバーのM氏撮影)

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
日本で一番美しい山は?
ヒント:芙蓉峰の別名があります。

コメント:

トラックバック