第37回天白川俳句会三周年!!2013年06月24日

 早いもので、地元で、足もとで句会を、と2010年5月末に立ち上げて、もう3年経過した。タウン誌に会員を募ってみたら70歳代の女性2名に知人の同年代の女性も加えて4名でスタート。そのうち1名が病弱で来られなくなり、半年後、新たに募ったら、男性1名、女性1名が加わり、5名となった。以来、この体制で経過してきた。
 方式は最初こそ1人10句の雑詠を求めたが、大変というので5句に減らし、渾身の句評が効果を上げたようだ。力がついてくると、それぞれが物申すようになり、会合らしくなった。目指すところは小沢栄一的な句会である。会員のすべては人生経験充分な人ばかりなので後はてにおは、文法、例示などでアドバイスしていく。一言一句聞き漏らすまいとメモされる。時には反論もでてくるようになった。充実してきた、と思うが、時には何で、とおもうような句も出されて戸惑う。
 6/23は何はともあれ、よく続いたということでちょっと改まった料理屋で三周年のお祝いということになった。

 短評

 六月やメンデルスゾーン高らかに      且行
・・・ジューンブライドを彷彿する。結婚行進曲が高らかに聞こえてくるような一句。作者も喜びに浸っているのだろう。もちろん結婚行進曲を指す。http://www.youtube.com/watch?v=9Wd-KwthQ7s 

 梅干をつける仕草に惚れ直す        且行
・・・愛妻家と見える。”梅漬けてあかき妻の手夜は愛す”(能村登四郎・句集「咀嚼音」から)を思い出した。引用の句は能村が40歳ころの作品に対し、掲載の句は70歳前後の人だが老いを感じることはない。

 木いちごの紅を摘みにしファランドール   順子
・・・http://www.youtube.com/watch?v=BAyJovBpABAを聴く。いつしか聴いた名曲と分かる。
 句の説明では収穫の喜びを子の気分を味わうのだという。やや飛躍があるが、分かる人には分かる。

 バス待つ間成らぬ想いを草いきれ      順子
・・・中々、結婚したがらない適齢期の娘を持つ母親の苦悩が現れている。小津映画の名作「晩春」や「麦秋」の世界である。映画ではようやく重い腰をあげて嫁に行く。「麦秋」では子持ちのやもめに嫁いでゆくのだが・・・。

 天空にしげる若葉の鸇(サシバ)の巣       宏子
・・・大景である。単なる鳥ではなく、サシバと具象的であり、ワシタカの仲間なので悠々と大空を飛翔する姿の嘱目吟。時は若葉の頃で、サシバも営巣中であった。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%B7%E3%83%90

 足柄の山路の奥や熊谷草             宏子
・・・http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%82%BD%E3%82%A6の写真で見るのみで、実物は未見である。一度は見たい幻の山野草である。絶滅危惧種のようである。

 夏至の夜やかいなを撫でる外の雨    和子
・・・神経を病んでいるそうだ。それならば、梅雨時の冷えは一層体に悪いだろう。窓の外は雨が降っている。雨を見ながらかいなを撫でている作者。

 童女乗せちゃぐちゃぐ馬っ子祭の音    和子
・・・一見すると何を?と思ったが、子ども時代は東北で育った作者の追憶の一句。南部盛岡地方の駒祭になると句のように馬に乗せてもらう。馬子は自分の馬に化粧綱をつけて祭り気分に浸る。
WIKIから http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%B0%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%B0%E9%A6%AC%E3%82%B3
滝沢村 http://www.vill.takizawa.iwate.jp/01chag/
 こんな俳句こそ宮坂静生氏の提唱する「地貌季語」というものだろう。http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201206070301.html

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