熱唱!島津亜矢のコンサート2011年04月23日

 特別に演歌ファンでもないのだが昨年9月二葉百合子の引退の記事をWEBで知り、Uチューブで「岸壁の母」を懐かしく聞いた。画面の横には他の投稿者の作品があり、その中に島津亜矢の「岸壁の母」もあってワンクリックで飛んだ。聞いた途端に感激してしまった。他の歌も探して専用フォルダも作ってお気に入りにいれた。たちまちファンになったのだった。特に北島三郎や美空ひばりなどのカバーソングが出色であった。
 そしてCDも買って聞くがこの歌声がUチューブと大違いである。彼女は多くの観客を前に歌うことで刺激になり、熱唱するのだと感じた。録音機を前にスタッフだけだと燃えない性質と思った。
 この上は一度ライブで聞きたいとチャンスを窺うが11月は予定がかち合って行けず。半年目の4月に御園座で公演すると知り、2月末にチケットを購入。3.11の大震災で中止か延期と危ぶまれたが予定通り実施された。
 21、22、23日の今日は中日であるが客席は2階席までほぼ満席に近い。平日でもこれだけ動員する人気があるのだ。
 彼女は黒い着物の前身ごろに白い辛夷の花をあしらった和装に喪章を付けて登場した。華やかな振袖姿とイメージしていたから一瞬ぎょっとしたがそれがすぐに東日本大震災で亡くなった人、今も行方不明の人々への喪に服する意思の表れと感じた。事実、舞台の挨拶でその感情を吐露された。以後、場面が変わって衣装も変わるが喪章だけは付けていた。こんな時に歌舞音曲を催していていいのかしらと関係者間で悩んだ末の公演であったという。
 折りしも、今日の朝日新聞朝刊の15面には”いまこそ歌舞音曲”という大見出しの活字が踊る。 
 下段の欄には「震災と原発事故は日本を悲嘆の中に沈めた。けれど、私たちは生きている。悲しみの水底から、もがき出る。歌おう、踊ろう、。笑おう。それが生きることならば。死者を悼む心あらば」とある。
 左様、全国が自粛ムードではホントに沈んでしまう。誠に時宜を得た記事だ。
 さて島津さんは熊本県出身。1971年3月28日生まれだから40歳になったばかり。3歳で歌い始めて地域ののど自慢大会で頭角を現す。13歳で星野哲郎に師事し、15歳でデビューして歌ひと筋の25周年記念ツアーの一環であった。演歌界の宝と言われるのも分かる気がした。
 若いが堂々としたエンターテイナーだ。今回のテーマは「挑戦」という。女性歌手というガラスの天井を突き破っていくつもりだろう。芸道を追求していく求道者のような心構えができている。
 素人では歌えない難しい歌「山河」(作詞:小椋桂、作曲:堀内孝雄)を貼り付けておこう。素晴らしい歌唱力が分かる。映像もいい。黒部川の廊下じゃないかと感じた一こまもある。投稿者は山が好きな人かもしれない。

http://www.youtube.com/watch?v=FKL_KSQAMgI