奥飛騨・大洞山に登る2008年05月04日

 5/3の午前6時30分出発。7時にNさんと合流した。今回は尾崎山の余韻も去らぬうちに再び奥飛騨の山旅である。目指すは六谷山であったが役場に問い合わせると茂住峠までは災害復旧の工事のために車は登れないことが分かった。急遽神岡町の二十五山と高原川を隔てて対岸に聳える大洞山に変更した。
 ところが東海北陸道は美並ICから一車線になるため交通集中で停止してしまったため美並ICで降りた。R156を少し走り、県道に右折。典型的な山岳路を走って郡上市と飛騨金山を結ぶR256に出た。そこから岩屋ダム湖畔の道を経てせせらぎ街道に出て高山市を目指した。そして神岡町に着いたのは15時過ぎとなり、こんなこともあろうと予め用意しておいた観音山803mに林道を走行して徒歩15分で登山。幸い天気は良くて笠ヶ岳など北アルプスが良く見えた。肝心の観音様は一体も拝めなかったが何とか1山を登った。
 その後「すみや旅館」に投宿。すみやの名前で連想が働き主人に聞くと三河の出身であった。神谷、深谷、角谷は三河に多い姓である。夕食にも山海の珍味が出て美味しかった。食べ物はここではもう北陸圏である。山がちの土地柄なのに新鮮な刺身もでて嬉しかった。
 5/4は5/3に続き好天であった。朝曇りはいつしか晴れて暑い日が予想された。宿は6時半に朝食を依頼。7時前に出発できた。R41へ一旦出て大津神社を探した。富山側へトンネルを潜ってすぐのところに大津神社境内に入る道が見つかった。
 Pに車を置き、7:20、往来の多いR41を渡って大洞山側の登山口の看板に従って入山。10/10とある。杉の林の中を登り鉄塔を経て7:40御嶽神社に着く。約20分。境内を左へ林道を歩くと7:43大洞山9/10の看板が掲げてある。しばらく行くとここにも鉄塔がある。Nさんは以前来た際ここで鉄塔の巡視路に間違って入ったらしい。2時間も彷徨してから気づいて戻ったが時間切れで敗退した無念の山であった。
 Nさんは10年位前の『山の本』のバックナンバーに掲載されたのですぐ行ったからもうかなり年月が経過した。正しい道を確認して登る。この辺りから杉の植林がなくなり全体にコナラなどの雑木林の中の急な登山道をぐんぐん高度を上げる。ヤマツツジの花が咲く。むせ返るような新緑に包まれている。左へ左へと山腹を登りながら結局は左側の浅い谷に沿う急な尾根に取り付いた。
 尾根にはアカマツが茂る。急な斜面に付けられたステップに足を乗せながら急上昇していく感じがした。ジグザグを殆ど切らないから前を行く人の足を見ているくらいである。8:40大洞天狗の岩棚に着いた。7/10とあり逆算すると3合目であり小休止した。
 なおも急登を続けるとゴヨウマツが続く尾根になり、地形図で等高線が緩む辺りから尾根がはっきりしてきた。右の谷はミズナラの群落がある。瑞々しい新緑に感嘆の声をあげる。頭上からはクマゲラ?のドラミングが盛んに聞こえる。深山の趣きである。
 先ほどから辛夷の花を見るようになったが段々増えてきた。樹林の間からは白銀に輝く北アルプスが見える。9:45尾根は一段と緩み、足元にはイワウチワが咲き誇る群生地になった。尾崎山と同じである。ここは5/10とあり五合目に中る。御嶽乗鞍岳の展望台と看板がありしばし展望に見入る。更に尾根を登ると「町木ヒメコ通り」の看板を見た。ヒメコとはヒメコマツか。(帰宅後検索するとゴヨウマツの別名と分かった)
 10:13.「4/10地点」では平になった。細幹のブナの群落が新芽を吹く壮観な眺めに感動した。聞きしに優るブナの純林である。百千鳥の季語で一句ひねりたくなるほど小鳥も盛んに囀る。明るい日差しがぶな林に差し込んで一斉に春を迎えたのである。
 「すみや旅館」の女将が知らないうちに新緑になった、と旅館の前から見上げた辺りである。つい最近までまだセピア色だったのだろう。10:40、北アルプス展望台に着いた。尾根の平らな一角を伐採して見通しがいい。残雪もあった。立派な山容の黒部五郎岳、巨鯨のような薬師岳が白い。剣岳は黒い岩を剥き出しに聳える。笠ヶ岳は特に立派に見える。左に見える槍ヶ岳を従えているかのようだ。槍が格下に見える。
 尾根の撓みを登り返す。今までの細幹のブナから山頂部は太いブナが揃う原生林である。道には熊笹が茂り踏み跡もはっきりしない。今まで見なかった赤テープも出てきてなんとか迷わずに行ける。11:00に登頂。1348mの看板と3等三角点がある。
 右に「北ア、高原郷の展望台」のプレートがあり笹の中の踏み跡に導かれて1分で展望のいいところに下った。木の間が広く空いている。特に笠ヶ岳が素晴らしい。山頂の全部が岐阜県になるので県内最高峰なのである。御嶽もいい。継母岳から継子岳まで広い裾野を見せて乗鞍岳と競争するかのようだ。御嶽は雄大、乗鞍は優美な山容である。ここでは剣が見えにくい以外は休み場として最高である。
 高原郷というのは神岡の町のことであろう。赤、青の屋根の色の家並が一杯に並ぶ。高原川の氾濫が作った沖積平野であろう。
 12:00.下山する。往路を辿る。13:20、天狗の岩棚着。13:44頃町のアナウンスが聞こえてきた。「◎×センターで熊が目撃されたので注意する」旨の放送であった。14:009/10地点通過。14:15、大津神社着。すぐに湧き水を飲んで喉を潤す。大洞山の湧き水らしい。
 R41に出て割石温泉に行く。いい湯である。400円と安いのも魅力。まだ何か物足りないので神岡の町を通過する。橋の近くにも湧き水の飲み場があった。ただしPがない。そのままR41、県道を走り清見ICから帰名した。しかし時間的にも日からも渋滞のはずはないのに渋滞があったので高鷲ICで出て白鳥から長良川右岸の県道を走った。八幡と美並間の問題区間を解消しない限り渋滞は続く。結局久々にR156から美濃ICまで走り高速に入りなおした。

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