08年越後の山を滑る2008年04月08日

浅草岳山頂で憩う登山者。銀山湖を見下ろす。遥かに平ヶ岳方面の尾瀬が見える。
 今年も越後の春山を堪能した。2005年に新潟市のW先生からお誘いを受けてから早いもので今年で4回目である。しかし天気が悪かったり雪が少なかったりで中々山頂には立てなかった。延べ6日行って鬼ヶ面山に立っただけであった。
 山スキーの別天地というべき守門黒姫は毎回行った。ここは重厚なぶな林の林間滑走が素晴らしい。次回は是非山頂を狙いたい。これまでで大体ルートの目処はたった。
 浅草岳はいつも途中で引き返したが今年は1等三角点の浅草岳山頂に立つ事ができたのが収穫である。登山はなによりも天気である。これまでの我慢に報いてくれたかと思うような無風快晴の山スキー日和であった。滑降も快適で4時間30分の登りでも下りは1時間30分ほど。下山後は温泉で汗を流した。
 お宿はいつもの休み場さん。おかみさんとも顔見知りになれた。夕餉には毎回山菜がどっさりでるが今回は少なかった。メインは鴨鍋であった。何よりもビールが旨かった。守門黒姫の下山では体力を消耗させられた。同行のKさんも6日はドライブにしたいと休みたがったほど。大汗をかいたのでビールがいくらでも入って行く。銘酒八海山も差し入れで飲ませてもらえた。辛口で旨かった。
 おまけに足の達者な同行者を得て遠路退屈せずにドライブできた。帰りは4時過ぎまで宿で休憩した。小粒のジャガイモを油で揚げてしょうゆと砂糖で絡めたものが美味かった。ビールのつまみにもあう。その後R252を小出まで走る際に平野部からすっくと伸び上がる美しい魚沼駒ヶ岳を見た。となりで運転交代に備えて寝ていたKさんを起こしたほど美しい。半周するように走りながら魚沼三山の姿を飽かず眺めた。
 R252からR17に合流して塩沢に向った。『北越雪譜』の著者鈴木牧之記念館に寄るためだった。行くことは行ったが閉館は4時半となっているので入館はできなかった。それでも帰りには巻機山の風姿を眺められたのは収穫だった。鈴木牧之は著書の中に巻機山を破目山(割引山)として紹介する。これを深田久弥が『日本百名山』に書いている。巻機山も再び晴れた日に登りたい。
 塩沢は雪深い時期に再訪したい。記念館も雪深い折ならより感慨深いだろう。それに「雪中に糸となし、雪中に織り、雪水を晒(そそ)ぎ、雪上に曬(さら)す。雪ありて縮みあり、されば越後縮みは雪と人と気力相半ばして名産の名あり。魚沼郡の雪は縮みの親といふべし」という映画「雪国」の中で岸恵子扮する駒子が朗々と歌う台詞も記憶に新しい。実は川端康成は『北越雪譜』の一節を取り込んでいたのだった。そんな景色も見られたら面白いではないか。
 後ろ髪を引かれながら十日町市への道標に導かれて県道に入った。そして峠のトンネルの手前の開けたところからは車を止めて見たほど美しい雪山が見えた。『雪国』にも「夕景色」の一章があった。魚沼盆地は国境が東西にあり、北に開けた地形なので朝日よりも夕景色の方に風情があるのだろう。
 あれが巻機山か。その右はなどと夕景色の美しい春の魚沼盆地とはトンネルを境に別れた。

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