大日岳判決2006年04月26日

 GWの最初、29日、30日のお天気が今一悪そうである。出来れば山スキーで納めたい連休である。好転を祈りたい。
 新聞に北アルプスの大日岳の遭難で民事訴訟の判決が出た。文部科学省即ち国側が敗訴となった。何億という賠償金を払うことになる。刑事では無罪となったにもかかわらず、だ。
 弁当と山での事故は自分持ち、即ち自己責任がよく言われるが相手が国となると事情が変る。これまでにも大学山岳部の遭難事故でも国側は敗訴してきた経緯があった。弁護士も官相手なら勝てると踏んで訴訟したのであろう。個人同士ではどうなんだろう。結局は過失の有無が決め手になる。その判断は極めて難しいものがある。(登山経験のない)裁判官に何か決定的な証拠でもあったのであろうか。
 事故に過失は必ずあるもの。緻密な検証を重ねると何かが見える。善意すらも過失につながる。「おーい、ここならもっとよく見えるよ」と皆を集めた。そこが巨大な雪庇の先端とも知らずに。そして崩壊。以上は想像である。
 つまるところ、文登研の教官たちも大方は都会の出身者であろう。知識や登山技術は優れていてもすぐそこにある危険を想像できないのは弱味である。教官の資質の一つに雪国で暮らす技術や知恵、知見といったもの、あるいはマタギの知恵を加えるのも一案である。雪を恐れ雪と戦ってきた人の民俗をおしえてもいい。
 登山では雪を楽しいものと教える。一般的には雪は怖いもの、うっとうしいものであるはず。この判決を機に見直して欲しいことである。