東京散歩2012年12月02日

 11/30夜、23時40分、バスに乗り、名古屋を出る。12/1(土)朝6時過ぎ、新宿駅前に到着。曇り空、朝ゆえか小寒い。駅近辺の店で朝食。靖国通りを靖国神社に向かった。やや下り坂の道である。四ツ谷に来て、橋を渡る。靖国神社は有名な割りに意外に地味な風情だった。つまり観光地にはなっておらず、神社本来の静寂を保つため俗化を避けて管理されているようにみえる。
 通用口のような門を入ると境内の木々が木の葉を落とし、地面の落葉を掃く神職の人らの姿があった。本殿に参拝後、境内を歩いて車のPの入り口を見る。大村益次郎の像の附近ではフリーマーケットが開催されるようだ。その準備に追われていた。更に行くと、大きな鳥居があって、そこが正式な入り口だ。その下に九段坂の説明板があった。なんでもない坂でもこうして説明されると歴史的気分があるから不思議だ。
 有名な「九段の母」の歌詞の世界がようやく見つかった。戦死した息子に会うために♪上野駅から九段まで♪一日がかりで歩いてきたのだった。♪空をつくよな大鳥居♪と歌う鳥居も何かの行事には大勢の善男善女がくぐるだろう。もう一曲、「東京だよおっ母さん」の作詞の中にも♪おっ母さん あれがあれが九段坂♪とある。
 体が温まったところで、地下鉄駅のトイレで身だしなみを整える。そしてまた地上にでて神保町まで歩いた。9時過ぎ、古書店街を歩くがまだ10時の開店には早い。喫茶店で時間をつぶし、その後、神保町シアターを見に行く。2012年7月9日に95歳で亡くなった山田五十鈴のアンコール上映の期間中で、先週から始まり、年末までやる。良い機会なので「祇園姉妹」を鑑賞することにした。10時、チケットを購入、また古書店に行く。文庫本に大須賀乙字の俳論集があり、価格を見ると3000円もする。うーん高いと戻す。
 開演予定の11時がせまったのでシアターに戻る。DVDで一度鑑賞しているので、筋は分かっている。19歳の山田五十鈴が女優開眼した作品という。いきなりシュミーズ姿で登場する。姉は古風で騙されても男に尽くすタイプと打算的というかドライな感情で男を騙す妹を対照させて、祇園に生きる姉妹を描く。
 鑑賞後は、御茶ノ水駅まで歩く。途中、降雨があり、傘を買う。山手線で品川駅に向かう。今夜の年次晩餐会会場のプリンスホテルに行く。懐かしい人々に出会う。出席者は約450名、中には谷垣禎一氏の名前が名簿にある。まさか選挙期間中には来れないでしょう、と一致。宴会は無事に終了後、別室で二次会をやる。これも終了後、五反田のはずれにあるビジネスホテルに投宿。
 12/2(日)、酔いもあってすぐ寝たが、深夜に起きて入浴。温まったお陰で朝早くさっぱり目が覚めた。都営地下鉄・中延駅から三田駅で乗り換え、神保町駅へダイレクトに行く。ここでも朝食とコーヒーで時間つぶし後、シアターでチケットを買う。シニアは1000円也。
 森繁久弥と共演した人情喜劇「暖簾」、実の娘・嵯峨美智子と初の共演作「おしどりの間」、司葉子ら美人女優が共演!芸者の社会風俗をテーマにした「夜の流れ」を鑑賞。
 こんなにまとめて一人の女優の作品を鑑賞したのは初めてのことだった。すると見えてくるものがある。テーマ音楽も小津映画で聞いたような気がします。斉藤一郎が音楽を担当した「夜の流れ」でしょうか。成瀬巳喜男監督だけあってやるせないですね。男女の腐れ縁を描いています。4年前の「流れる」の雰囲気に似ています。「暖簾」の雰囲気は同じ森繁の「夫婦善哉」によく似ています。しっかりものの奥さんが森繁の尻を叩いて商売を励ますテーマなんかも同じ。それもそのはずで、監督は違っても、脚本は八住利雄です。似てくるはずです。
 それにしてもです。典型的な富士額、切れ長の目、瓜実顔の日本的美人でした。にも拘らず、芸達者で汚れ役にも積極的に挑みます。老け役では歯の色まで染めています。わざと美人を返上しています。そして、男に恋し、裏切られる役をこれでもか是でもかと言うくらいやった。実人生に重ねるかのごとく。あの小津映画に珍しく「東京暮色」の暗い内容にも出演して最後のあっけない幕切れを演じています。
 鑑賞の合間に、古書店悠久堂で手に入りにくい山岳書2冊を購入した。また近くのてんぷら屋「はちまき」に入ってみました。昭和6年創業とか。てんぷら定食を頼みました。お味はまずまず。タレは大根おろし入りですが、やや薄味で物足りない。量は多目なので、薄くしてあるのかな。
 鑑賞後は6時45分前、もう1日東京で遊びたい、そんな気分を残しながら東京を後にしました。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
日本で一番美しい山は?
ヒント:芙蓉峰の別名があります。

コメント:

トラックバック